• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

形容詞の語義・用法データベースの作成とそれに基づく歴史的変遷の研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K00279
研究機関大阪国際大学

研究代表者

村田 菜穂子  大阪国際大学, 公私立大学の部局等, 教授 (60280062)

研究分担者 山崎 誠  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変化研究領域, 教授 (30182489)
前川 武  大阪国際大学短期大学部, その他部局等, 教授 (30238844)
村山 実和子  日本女子大学, 文学部, 講師 (50783586)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード形容詞 / 語義 / 用法 / 日本語歴史コーパス / データベース / 言語変化
研究実績の概要

本研究の目的は、上代から近代に至る通時的な視点に立ち、各時代の代表的作品に出現する形容詞について、その語義と用法を分類し、その分類結果を反映させた語義・用法データベースシステムを構築し、用法(終止用法、連体用法、連用用法)の分布の傾向について考察し、上代から近代に至るまでの語義と用法の歴史的変遷について明らかにすることである。
2022年度の実績としては、前年度に引き続き、「深い」「憂い」「恥ずかしい」「高い」「安い」「難い」「痛い」「悲しい」「良い」「悪しい」の10語について、平安時代と鎌倉時代の用例を対象として『日本国語大辞典』の語義分類に基づいて語義を分類し、用法の分類基準を作成し,通時的変化を観察した.
その結果、語義分類の時代間比較では、(1)「深い」「憂い」「高い」「難い」は時代間の差がほとんどない、(2)「恥ずかしい」は平安時代には[気詰まり]や[気おくれ]が多用されるのに対して、鎌倉時代になると大幅に減少し[決まりが悪い]が主流となる、(3)「痛い」は平安時代では[精神的苦痛]が多いのに対して、鎌倉時代は[肉体的苦痛]がほとんどである、(4)「悲しい」は平安時代、鎌倉時代とも[嘆かわしい]が主だが、鎌倉時代では[興味深い]の意が新たに生じている、(5)「良い」は平安時代では[正当・善][適当・相応]が主なのに対して、鎌倉時代には[優れる]が圧倒的に多くなる、などが明らかとなった。
用法分類の時代間比較では、(1)「深い」「憂い」「高い」については時代間の差はほとんどない、
(2)「恥ずかしい」では、終止形終止法と連用修飾(副詞法)の比率が鎌倉時代に増える、語幹形容動詞生成(「恥ずかしげなり」)が減る、(3)「安い」では、平安時代ではほとんどが助動詞接続であったのに対し、鎌倉時代になると連体用法と連用修飾(副詞法)が増える、などが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

語義・用法の分類作業に当初予想していた以上に時間がかかり、また、十分なスキルを持った研究協力者を見つけることが困難であり、全体の作業が遅れることとなった。

今後の研究の推進方策

今後は、進捗の遅れを取り戻すため、専門の技術者派遣業者への委託も視野に入れて、作業の効率化、迅速化を図っていく。

次年度使用額が生じた理由

通常業務が多忙となり予定していた旅費の支出ができなかったことと、語義・用法の分類作業の依頼を予定していた十分なスキルを持つ研究協力者を見つけることが困難であったことから人件費の支出ができなかったことが理由である。
今後は学会等の開催状況に注意するとともに、専門の技術者派遣業者への委託も視野に入れて、人件費を使用していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 形容詞の通時的語義・用法データベースの構想と進捗状況2022

    • 著者名/発表者名
      山崎 誠、村田 菜穂子、前川 武、村山 実和子
    • 学会等名
      人文科学とコンピュータシンポジウム 「じんもんこん2022」

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi