本研究では、通俗教育(社会教育)が取り組んでいた課外読み物の統制について検討し、以下の成果を得た。 一つ目の成果は、課外読み物がジャンルに応じて統制されていたことを明らかにしたことが挙げられる。さらに、同じジャンル(「冒険小説」など)であっても、課外読み物から排除されたり包摂されたりしていたことが明らかとなった。 二つ目の成果は、課外読み物の統制が民間団体(日本図書館協会と日本童話協会)にも担われていたことを明らかにしたことが挙げられる。さらに、民間団体が文部省による課外読み物の統制に組み込まれていく過程も明らかとなった。
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