研究課題/領域番号 |
21K00308
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研究機関 | 沖縄県立芸術大学 |
研究代表者 |
鈴木 耕太 沖縄県立芸術大学, 芸術文化研究所, 准教授 (70786904)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | テキスト化 / 翻刻 / 資料蒐集 / 組踊台本 |
研究実績の概要 |
研究初年度となった2021年度は、研究機器の整備と、資料蒐集および、台本のテキスト化の作業を行うこととした。しかし、前年から続く新型コロナウイルスの感染拡大のため、研究機器が半導体不足のため生産待ちの状況から、機材発注ができなかったため、次年度に持ち越すこととした。 また、同じく沖縄県の緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が長期にわたって発令されたため、本学規定によって外国はもとより、遠隔地(県内離島含む)の調査研究を自粛せねばならない状況となった。したがって、2021年度は沖縄本島内の図書館及び地方自治会の所蔵する組踊台本を蒐集した。蒐集した台本は以下の通りである。 『新本家所蔵本組踊集』・尚家文書31『組躍』・『琉球詞曲』・『今帰仁御殿本組踊集』・『久志村所蔵本組踊集』・『琉球組踊』・『与那覇政牛所蔵本組踊集』・『語学材料第二』・『恩河本小禄御殿本組踊集』・『兼島信備所蔵本組踊集』・『琉球新報』(明治四十年四月五日)・『比嘉信三本組踊集』・『琉球新報』(大正十四年)・『校註 琉球戯曲集』・『沖縄郷土古典芸能組踊全集』・『沖縄県史料 前近代8芸能Ⅰ』・『沖縄県史料 前近代11芸能Ⅱ』・『組踊集』琉球大学宮良殿内文庫 おおむね、沖縄本島内に所蔵されている資料は蒐集できており、残りは個人所蔵の台本である。2021年度は上記の資料のうち、尚家文書31『組躍』・『今帰仁御殿本組踊集』・『恩河本小禄御殿本組踊集』・『校註 琉球戯曲集』収録の組踊台本を翻刻、テキスト化を行った。テキスト化を行った組踊の作品数は52作品である。テキスト化を行った後、翻刻元の資料との確認作業が残されているが、本作業については新たなテキスト入力と並行して行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、テキスト化に必要な資料のデータのうち、半数以上を初年度で蒐集することができた。新型コロナウイルスの感染状況及び、沖縄県による感染拡大防止措置によって離島を含む県外や海外といった、当初予定していた沖縄本島外への資料調査・資料蒐集は行えていない状況であるが、県外調査ができなかった分、研究年度の後半に予定していた県内の資料蒐集を精力的に行うことができた。 また、新型コロナウイルスの世界的な流行によって半導体不足によって、初年度予定していた資材整備は行えなかった。したがって当初予定していた計画よりも、やや遅れている状況となっている。これらの理由から資料の入力や処理ににかかる作業時間や資料を保存する機器は現状のものを用いている。しかしながら状況に応じて研究計画を修正し、総合的には大旨順調に遂行していると評価する。今後は半導体不足などが徐々に緩和され、市場に製品の発売が報じられているため。2022年度は初年度に行えなかった機材の整備を行、計画の早期進展を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、機材の整備を早急に行い、資料蒐集および保管の安全性、そしてテキスト入力作業等を当初予定としていた水準に戻していく。現在、機材を発注段階であり、7月までには当初計画の機材で研究活動を行う見通しである。 沖縄本島外の調査研究については、海外は日本における海外渡航の緩和を待っている状況である。調査に赴くためのワクチン接種などはすべて終えているため、渡航に対して緩和が発表された段階で、資料所蔵先へのコンタクトおよび調査申請を行えるように準備ができている状況である。 基本的に新たに資料を蒐集することと並行して、蒐集済みの資料を順次テキスト化していく。また、テキスト化した資料を元資料と付け合わせ、内容の再確認を進め、最終年度(2023年度)に沖縄県立芸術大学芸術文化研究所のホームページにおいて資料公開できるように準備を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度の新型コロナウイルスの感染拡大防止措置(沖縄県による1月から3月までのまん延防止等重点措置、緊急事態宣言:5月23日から8月30日まで)のため、本島外への渡航不可、また、軽石の漂着による見解各離島との交通困難、さらに半導体不足による研究機材の発売延期などが重なったため。 2022年度は機材の発注を業者が受付開始しているため、早急に機材の整備、そして国外渡航の緩和を待って、国外への資料調査、県内への資料調査を継続的に行う。
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