研究課題/領域番号 |
21K00312
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
石川 巧 立教大学, 文学部, 教授 (60253176)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 江戸川乱歩 / 鷲尾よし子 / 日本近代文学大事典 / VAN / 捕物作家クラブ会報 / 雑誌研究 |
研究実績の概要 |
2023年度は、石川巧編『戦後占領期雑誌『VAN』復刻版 附解題 総目次』(三人社、2023年7月)を復刻出版するとともに、石川巧、金子明雄、川崎賢子、小松史生子、谷口基、浜田雄介、山口直孝共編『『関西探偵/捕物作家クラブ会報』―戦後占領期の大衆文化』(2023年8月~2024年2月、金沢文圃閣)の復刻に携わった。また、立教大学が所蔵する江戸川乱歩旧蔵資料のオンライン化をすすめ、石川巧、尾崎名津子、金子明雄、後藤隆基編著『江戸川乱歩『貼雑年譜』』(丸善雄松堂J-DAC「近代文学作家自筆資料集」オンライン版、2023年11月)の公開をした。そうした雑誌の復刻や資料のデジタル化とは別に、1920年代から1960年代にかけて秋田で雑誌出版活動を継続した鷲尾よし子という人物に注目し、『秋田魁新報』に「出版人としての鷲尾よし子」を連載(2023年12月~2024年5月まで、21回連載)した。 WEB増補版『日本近代文学大事典』(日本近代文学館、2021年~現在進行中)については、編集委員として項目の選定や執筆に関わった。 公開シンポジウム「江戸川乱歩自筆資料の魅力と可能性」(立教大学、2023年11月12日に開催。講演・戸川久宣、インタビュー・平井憲太郎/聞き手・後藤隆基、研究発表・後藤隆基、石川巧、尾崎名津子、金子明雄、ディスカッション)に登壇し、『貼雑年譜』の概要と特徴について研究発表を行った。 北京外国語大学での集中講義で雑誌研究の方法について講義するとともに、ワークショップ「雑誌の研究を語る」(北京外国語大学、二〇二三年九月七日、講師/石川巧、司会/北京外国語大学・熊文莉、発表/清華大学・王成、中国人民大学・劉妍、北京外国語大学・曲莉、北京外国語大学・秦剛)を務めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、本研究の中心的なテーマである戦後占領期の稀覯雑誌に関する研究の成果として石川巧編集代表『戦後出版文化史のなかのカストリ雑誌』(勉誠社)を出版すべく準備を進めてきたが、コロナ禍の影響もあり出版が2024年度にずれ込んでしまった。2024年5月には刊行予定であるが、科研費の研究としてはやや遅れが生じていると言わざるを得ない。
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今後の研究の推進方策 |
本来、2023年度に刊行予定だった『戦後出版文化史のなかのカストリ雑誌』(前出)については、2024年5月の刊行が予定されている。本年6月には『マニアック〈文学〉資料コレクション』(勉誠社)も刊行されることになっており、これまで取り組んできた研究については一区切りとなりそうである。2022年に『週刊朝日』に関する共同研究を立ち上げ、『戦後占領期『週刊朝日』総目次』(金沢文圃閣)を刊行した週刊誌研究については、現在、『戦後占領期『サンデー毎日』総目次』(金沢文圃閣)の出版に向けて作業を進めており、2024年度中の刊行ができそうである。
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