研究課題
基盤研究(C)
盛唐の山水詩人の代表として併称される「王孟(王維・孟浩然)」について、その共通点と相違点を考察し、口頭発表を行った。これもふまえ、「孟浩然の旅の詩 : 六朝「行旅」詩の流れをふまえて」を発表し、『文選』および六朝の詩から孟浩然に至るまでの変遷について論じた。また、これまでの研究の蓄積をふまえ、事典の一項目として園林及び王維についての通史的記述を執筆した。
中国古典
園林文学研究の蓄積を背景として研究の視野を広げ、園林詩の作者として重要な王維と、彼と同時代の孟浩然の文学に注目した。山水詩における「王孟」の併称、両者の交遊の実際、山水・行旅など伝統的な文学ジャンルの再検討を行った。孟浩然の旅の詩についての論考は、王維詩及び園林文学への興味の延長線上にあり、見知らぬ・遠方の場所を描く行旅詩/個別の・親しみのある場所を描く園林、という対比構造で捉えられ、園林文学をより立体的に考察することにつながる。