研究課題
基盤研究(C)
本研究は、戦後の日本における中国文学の社会的・実践的な受容の形態を、主に①「左翼文学運動での社会的・実践的な受容」、②「山形県と秋田県を中心とした地域的な受容」、③「外地引揚者による受容」の三点から検討していくもので、①についての種村季弘と花田清輝の受容と②についての鎌田政国の受容に関わる論文をこれまでに発表した。さらに①では武田泰淳の、②では山形の学校教員の受容についての、③では上野英信の論考を準備中である。
中国文学
本研究の意義は、第一義的には中国文学受容の歴史的事実を究明しその中で生まれた特徴的な作品解釈を確認・提示することによって、中国文学研究の枠組で学術的な成果をあげることにある。同時にそれは、日本文学の中での中国文学の影響を明確化することでもあるため、日本文学の枠組にも広がる学術的な意味を持つものであり、さらに日本の社会運動における中国文学利用の明確化をすることによって、歴史学・社会学等の分野においても学術的な貢献ができるものである。