研究課題
2023年度に、研究代表者の佐竹保子は4本の雑誌論文(訳注2本を含む)、2件の学会・研究会発表を、研究分担者の齋藤智寛は3本の雑誌論文、3件の学会・研究会発表(講演を含む)を公にした。佐竹「Continuity and Discontinuity between Metaphysical Poetry and Landscape Poetry」は4世紀の玄言詩と5世紀に盛行する山水詩の共通点と異質点を挙げ、玄言詩の中でも仏僧の支遁のそれのみに謝霊運(385-433)山水詩との共通性が見られることを明らかにした。佐竹「謝チョウ(月ヘンに兆)「郡に在り病に臥して沈尚書に呈す」について」は謝霊運の同族の後輩である謝チョウ(464-499)の詩について、従来あい異なる説のあったいくつかの詩語に阮籍(210-263)・陸機(261-303)の詩の影響を指摘することでより確定的な解釈を導き出し、謝霊運山水詩との繋がりを探った。佐竹他「『宋書』楽志訳注稿(五)」は『宋書』楽志所収の楽府詩の訳注で、全119頁中27頁を担当した。佐竹「王友琴1998-1004論文5篇の日本語訳」はシカゴ大学教授(当時)王友琴氏の論文を訳し、現代中国知識人の学識と認識を示した。齋藤「天人口授の語るもの」は初唐の僧・道宣が天人との対話を記録したと称する『律相感通伝』の華夷観念を考察した。齋藤「唐五代仏教における奇跡の唯識的解釈について」は隋から初唐にかけての僧・道英の伝記諸本を考察し、彼の示す奇跡が禅定による神通力から唯識の道理を体得した結果とされることを明らかにした研究期間全体を通じて、佐竹は8篇、齋藤は6篇の雑誌論文を刊行し、佐竹・齋藤ともに各7件の学会・研究会発表・講演を行い、さらに佐竹は2冊の訳書を公刊した。研究題目について、両者とも協力しつつ認識を深化させ、それを世に問うことができた。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)
大東文化大学紀要〈人文科学〉
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未名(神戸大学文学会)
巻: 42 ページ: 24-40,100-109
日本古写経研究所研究紀要
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科研最終報告書(基盤研究(B)20H01199)井筒俊彦の思想形成期における東洋思想とその学問的視座
巻: 0 ページ: 95-112
ACTA ASIATICA (BULLETIN of THE INSTITUTE OF EASTERN CULTURE) The Emergence of Landscape Poetry.THE TOHO GAKKAI
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集刊東洋学
巻: 129 ページ: 61-78
巻: 129 ページ: 21-40