研究課題/領域番号 |
21K00333
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中村 みどり 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (30434351)
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研究分担者 |
高橋 俊 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (10380297)
中野 徹 近畿大学, 文芸学部, 准教授 (20610512)
杉村 安幾子 日本女子大学, 文学部, 教授 (50334793)
齊藤 大紀 富山大学, 学術研究部人文科学系, 教授 (70361938)
中野 知洋 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (70372638)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 青島 / 高等教育 / 文芸活動 / 都市間の文化往来 / 民国期知識人 / 国立青島大学 / 国立山東大学 / 現代中国文学 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染拡大のもと、日本国内で可能な研究をメンバー6名各自が進め、年2回の研究例会をオンラインに切り替えて、研究報告と質疑応答、研究に関する情報交換を行った。またそのうち1回は中国民俗学研究者をゲストスピーカーとして招聘して中国関連のオンライン講演会を開き、メンバー各自の知見を深めることを試みた。具体的な内容は以下の通りである。 〇2021年9月7日(火)第1回研究例会オンライン開催/報告:高橋俊「中国人にとって『成長』とはなにか」、杉村安幾子「方令孺研究」、中野知洋「孫陵と1940年代『自由』中国」、中野徹「沈従文『八駿図』と聞一多」、齊藤大紀「『上海帰りのリル』と忠魂碑の扱い」、中村みどり「創造社のモダニズムと黄瀛」 〇2022年3月29日(火)第2回研究例会オンライン開催/報告:高橋俊「新セン文学について」、杉村安幾子「方令孺研究(続)」、中野知洋「孫陵と1940年代『自由』中国(続)」、中野徹「作家自伝の編集について」、齊藤大紀「『上海帰りのリル』と津村謙」、中村みどり「創造社のモダニズムと黄瀛(続)」/ゲストスピーカーによる講演:川野明正(明治大学法学部教授)「艾蕪の歩いた道─四川=雲南=ビルマ」 メンバーの研究報告は、中国現代文学における教養小説のあり方や地域文学の構築、青島とゆかりのある作家たちの教育・文芸活動、日本人の中国体験の記憶の伝承、中国モダニズムと青島との関わりなど多岐にわたる内容となった。講演会は、川野氏が撮影した四川・雲南の写真と艾蕪の『南行記』テキストをもとに艾蕪の足跡を丁寧にたどった。講演を通して、1920~1930年代にかけての中国では、知識人が国内外の各都市を移動しながら教育・文化事業に携わっており、現在認識されているような国境や地域間の境界について当時の視点から考えなおす必要があることを再認識させられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2021年度も日本では新型コロナウイルスの感染拡大がつづき、また研究対象となる中国・台湾でも同様の状況であり、計画段階から海外調査は外していたが、国内での研究活動も移動の制限を余儀なくされた。このため、年2回の研究例会をオンラインに切り替え、日本国内で可能な研究をメンバー各人が行い、その進捗状況についてオンライン研究例会で報告し、質疑応答を行い、お互いの研究を深めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度の新型コロナウイルス感染に関する見通しはまだ不明であるが、ひきつづき中国・台湾などに入国できず、国内移動のハードルが高い可能性を考えながら、日本国内で可能な研究をメンバー各人が続ける予定である。また前年と同様、少なくとも年2回以上の研究例会を開催し、必要に応じてオンラインで開催を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は新型コロナウイルス感染拡大が収束せず、当初2回予定していた国内での対面式研究例会を開催することができなかった。また日常の移動も制限され、自由に研究活動を展開することが難しく、その結果、申請した旅費の全額および物品費の半分を次年度に持ち越すことになった。今年度は対面式で研究例会を開催し、それが難しい場合は、オンライン講演会を開催し、ゲストスピーカーへの謝礼にまわすなど工夫したい。
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