研究課題/領域番号 |
21K00345
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
伊東 栄志郎 岩手県立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70249241)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ジェイムズ・ジョイス / 『ユリシーズ』 / 『フィネガンズ・ウェイク』 / イエズス会 / 日本 / 布教活動 / (ポスト・)コロニアリズム / 翻訳 |
研究実績の概要 |
2022年度は1つの国際学会、すなわちXXVIII International James Joyce Symposium: "James Joyce: 'Ulysses' 1922-2022"で"One Hundred Years of Solitude: The Reception of 'Ulysses' in Japan"という題目で口頭発表した。ただし、コロナ禍により、勤務先危機対策本部から海外渡航を控えるようにという指示があり、学会開催地Trinity College Dublin(アイルランド)に直接赴くことが出来なかった。それで、開催者に事情を伝えたところ、ZOOM等は開催校の諸事情で使用不可のため、やはり同じような事情で現地に行けなくなった他国の発表予定者数名とともに、あらかじめ学会発表を自撮りして、そのビデオを開催者と司会者に発表原稿を添えて送り届け、綿密な事前打ち合わせをして発表時間にビデオ再生をしていただいた。質疑応答は後日メールにて行なった。また、日本ジェイムズ・ジョイス協会主催の『ユリシーズ』出版100周年特別企画オンラインイベント「22Ulyssesージェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』への招待」に22人の講師の一人として招かれ、第17挿話について講演した。 活字としては、ブラジルの学術誌Cadernos de Traducao, vol. 42, no. 2: Traduzindo James Joyce (Florianopolis, Santa Catarina) (ISSN 2175-7968)に"James Joyce e as traducoes japonesas: 'If it Was, in Yappanoise Language, Ach Bad Clap?' (FW 90.27-28)"という論文が掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際学会発表を1件、ZOOM講演1件、学術論文1点という成果は、昨年に比較すれば数は少ないが、おおむね順調であると考える。研究会などはZOOMを活用してなるべく出席するようにしている。3月にようやく4年ぶりに京都に研修に行くことが出来て、京都大学で研究会に出席、そしてジョイス関連資料が充実している京都ノートルダム女子大学図書館で資料収集等を行うことが出来た。今後はコロナ禍も収束へ向かい、以前のように学会出張や資料収集も活発に出来ることになると期待されるので、さらに研究活動が充実していくことが予想される。
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今後の研究の推進方策 |
今年2023年は、まず6月にオンラインで開催されるThe 10th International James Joyce Conference: "Joyce, Postnationalism and Beyond"(韓国ジェイムズ・ジョイス協会主催)で学会発表する。その成果は、今年度中に学術雑誌に投稿予定である。また『愛と笑いと革命の『ユリシーズ』』という論集にも論文を投稿する予定である。2024年は、英国グラスゴー大学で開催予定のXXIX International James Joyce Symposiumでの学会発表を中心に研究活動を展開していく。国内外の各種学会・研究会などにも積極的に参加し、他の研究者たちとも出来るだけ交流して研鑽を積む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により世界的に学術イベントのZOOM開催が普及したため、予定していた学会参加費用、研究会参加費用が大幅に節約出来、このように科研費の残額が生じた。特にアイルランド開催の国際ジョイス・シンポジウム出張が勤務先危機管理対策本部からの指示で不可能だったことが大きい。しかしながら、コロナ禍は今後収束へ向かうと予想されるため、出張費用は当初計画通りかかると見込まれる。また、本研究に必要な書籍や備品を今後購入していくので、本年度のような残額は生じない予定である。
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