研究課題/領域番号 |
21K00356
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研究機関 | 大阪観光大学 |
研究代表者 |
千森 幹子 大阪観光大学, 観光学部, 客員教授 (20236821)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 擬人化 / エコロジー / 図像研究 / 日欧比較研究 / 挿絵 / 表象 / エコクリティシズム |
研究実績の概要 |
本研究は、エコクリティシズムから、1820~1960年代に至る日英(欧)文学図像(日本版:1910~1960年代/英欧版:1820~1960年代)における擬人化表象(動物表象は除外)と東西交差の系譜と特性を、文学・美術・社会・アニミズム・科学観等から考察する学際・比較研究である。本研究では、植物や無生物が、日英欧の挿絵本で、どのように擬人化され、変遷したのか、その系譜、起源と現代に通じる問題、エコロジーに対する文化的意味、東西交差の様態を、創作過程、美術技法、日英文化交流等から探り、西洋と日本の自然観の位相、人間と自然の対立融合共生の系譜を、比較検証解明することを、目的とする。 本年度は、コロナ・パンデミックを受けて、予定していた海外調査と国内調査がほぼ行えなかったが、本年度の実施研究としては、主に次の4点があげられるー(1)海外のデジタルライブラリーで公開されている資料調査(2)購入書籍による研究調査(民俗学、エコクリティシズム、日本版図像等に関わる資料集・研究書)(3)成果公開ー共著『英語読みのプロが語る 文学作品に学ぶ 英語の読み方・味わい方』「第11章 英語で『アリス』を読めばノンセンスのなかのセンスがみえる」(開拓社、2022)(4)成果公開準備ーまとまった成果(単著)の概要及びアウトラインの構築と引用資料の整理(従来の研究で収集した画像・研究資料と今回購入した資料等により) なお、次年時以降、可能な地域での海外調査(欧米)・国内調査(イルフ童画館・大阪府立国際児童文学館等)と、イギリスの連携研究者との、日欧比較研究の視点からの共同研究と討議を、精力的に行いたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
パンデミックの影響で、海外調査・国内調査、および英国の連携兼研究者との共同研究と討議が、思うように行えない、状況にある。
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今後の研究の推進方策 |
過去に基盤研究(C)を受けた二つの研究課題(2015-7/2018-20)と本研究で得た研究調査資料を踏まえ、2023年夏までに、単著の脱稿を目指す。 なお、パンデミックが落ち着いた国・地域から本研究課題に関わる調査研究(特に海外での調査研究)を優先的に行い、海外の連携研究者との協議で、その成果及び今後の研究の継承展開課題について論じる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ下で、当初予定していた長期の海外調査・国内調査が、行えなかったため。
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