研究課題/領域番号 |
21K00359
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02030:英文学および英語圏文学関連
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研究機関 | 東北学院大学 (2022-2023) 岩手県立大学盛岡短期大学部 (2021) |
研究代表者 |
石橋 敬太郎 東北学院大学, 文学部, 教授 (80212918)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | イスラーム / 17世紀イギリス演劇 / 貿易 / 改宗 / 植民地化 |
研究成果の概要 |
本研究では、初期近代イングランドで上演されたイスラム教徒の改宗を主題とした演劇作品を時局的に考察した。結果、Goerge Wilkins他による『英国三兄弟の旅』にはプロテスタントによる改宗が遠い現実であったこと、John Fletcher作『島の王女』には軍事力と改宗をもとに植民地化を進めるポルトガルの実際が認められること、そしてPhilip Massingers作『背教者』には秘跡や洗礼など「目に見える」実践をもとに改宗を進めるイエズス会の実際を明らかにした。あわせて、Thomas Heywood作『西の国の美女』のムーア人の改宗がノスタルジックに描出されていることを確認した。
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自由記述の分野 |
初期近代イギリス演劇
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
欧米諸国とイスラム諸国との関係は、和解の方向に向かっているものの、今なお中東地域の紛争などにおいて、その亀裂は十分に解決していない。特にイングランドとイスラム諸国との関係については、モロッコやトルコとの商業的な結びつきに始まり、16世紀末にはスペインを標的として軍事的な同盟に発展した。ときの女王エリザベスの親モロッコ・トルコ政策に対して、劇作家たちはイスラム教徒を文化的・宗教的な脅威とみなし、彼らを残虐非道な人物として仕立て上げた。本研究では、イングランドとイスラム諸国との亀裂の解決の糸口として、これら劇作家たちの改宗を基盤とした演劇作品のもつ意義を確認した。
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