研究課題/領域番号 |
21K00390
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
吉中 孝志 広島大学, 人間社会科学研究科(文), 教授 (30230775)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | オード / ベン・ジョンソン / エイブラハム・カウリー / アンドリュー・マーヴェル / ジョン・ドライデン |
研究実績の概要 |
ジャンルとしてのオードが持つ重要な特徴としてその音楽性がある。2023年10月29日に島根大学で開催された第75回日本英文学会中国・四国支部大会シンポジアムにおいて司会を務め、「英文学と音楽/音楽性」というテーマを企画し、他大学研究者らに報告を依頼するとともにフロアからの知見を含め、同テーマでの意見交換を行った。自身は、「『曖昧過ぎる正解も譜面にして』―ドライデンの頌歌について」と題した研究報告を行った。その成果として学術誌『英語英文學研究』に論文「ドライデンの頌歌「アレクサンダー大王の饗宴、または音楽の力」における詩と音楽の分裂」を発表した。英国17世紀の王政復古期には、オードの対象となる英雄に対する脱神話化の傾向が高まり、初期近代において優勢であった、賞揚のための誇張法が疑似英雄詩のそれへと変化していく過程の一端をドライデンのオードを例として指摘した。来年度に英国オックスフォード大学出版局から公表予定である国際共著の担当個所の論文に関して、遠隔で海外の研究者との意見交換を行い、成果に反映させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナ感染症による規制が撤廃され、ほぼ自由な研究活動が行えるようになったため。対面での学会参加は、健康上の理由で果たせなかったが、遠隔での意見交換が可能であったため、国際共著による成果発表に向けて一定の進捗があった。
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今後の研究の推進方策 |
4月19-21日に英国で開催予定の国際学会 The Vaughan Association 28th Annual Colloquium に参加し、17世紀の詩と音楽との関係に詳しい University of Wales, Bangor の Professor Helen Wilcox、及び University of Cambridge, Peterhouse College の Dr Simon Jackson らと意見交換を予定している。また、本研究期間の最終年度であるため、オックスフォード大学出版局からの成果発表も最終校正を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症流行のため国際学会への参加が不可能であったため。来年度4月に開催される国際学会にて執行予定。
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