研究課題/領域番号 |
21K00405
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
西垣 佐理 近畿大学, 農学部, 准教授 (00581042)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 初期ヴィクトリア朝文学 / 看護 / ジェンダー / 男性性 |
研究実績の概要 |
今年度は、主に当該テーマに関する研究を行ったが、それ以外にも、2022年度に行った研究を書籍化する作業、および2本学会シンポジウムでの研究発表のための研究を進めた。 まず、2022年12月に甲南大学で開催された日本英文学会関西支部第17回大会シンポジウムで研究発表したものを書籍化する話が出てきたため、シンポジウムのメンバーと共同で、発表内容を改稿し、2023年12月に英宝社より、『ジェンダー・ロールの呪縛と越境』という書籍を出版した。私は、第4章「第四章 ヴィクトリアン・マスキュリニティの確立と男性による看護ー『嵐が丘』を中心にー」を担当し、初期ヴィクトリア朝の作家エミリー・ブロンテの小説『嵐が丘』(1847)に登場する男性の看護表象について、当時のジェンダー・イデオロギー確立の議論を通じて分析した。 また、2023年10月に同志社大学で開催された日本ギャスケル協会第35回大会シンポジウムでは、「『北と南』におけるジェンダー・イデオロギーの再構築―マーガレットとソーントンとの関係を中心に―」と題して研究発表を行い、同年12月にも、大阪公立大学第2回英米文学会シンポジウムにて、「イギリスへの視線ーオリーヴ・シュライナー『女性と労働』におけるジェンダー意識」 というタイトルで研究発表を行った。 当該テーマの中でも、特にジェンダーの側面について多くの知見が得られたことで、来年度のさらなる研究の発展につなげられたように思う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
昨年度行った研究発表を元に、書籍化の話が出て、そちらの作業に集中した結果、2023年12月に『ジェンダー・ロールの呪縛と越境』(英宝社)が出版された。また、2本シンポジウムで研究発表したことで、成果発表の機会を持つことができ、当該研究テーマに関する知見を多く得ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度のシンポジウムでの成果より、発表原稿を論文化する作業を中心に進め、学術誌等に投稿することで、成果発表の機会を得たい。また、当該研究テーマに関する資料収集や分析も同時に進め、新たに論文化できるよう進めていくつもりである。
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次年度使用額が生じた理由 |
2022年度は在外研究出張で研究活動を中断しており、2024年度に1年延長申請を出して許可を得た。その結果、当初2022/23年度で使用予定の費用をそのまま1年遅らせて使用することにしたため。
前年度と同様、研究活動に充てる費用が必要であるため、次年度も前年度に引き続き、書籍代・英文校閲費・および資料収集や学会参加のための海外渡航費などに使用予定である。
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