研究課題/領域番号 |
21K00417
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 早稲田大学 (2023) 九州大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
武田 利勝 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (80367002)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ドイツ・ロマン主義 / ドイツ観念論 / シュレーゲル兄弟 / 言語論 / 韻律論 |
研究成果の概要 |
本研究は、観念論的哲学と経験的心理学という両極の中間にシュレーゲルの言語感性論を位置付けることによって、そこから生じる言語起源論の新たな意義、そしてロマン派哲学のなかで占めるその重要性を明らかにした。 科学と文学、信と知、自然と自我、国民文学と世界文学といった、近代に入ってあらわとなったさまざまな分裂を自覚し、克服すること。A.W.シュレーゲルの言語感性論は、そもそも翻訳をその前提としていることからもわかる通り、対立的なあらゆる両極の媒介を目指すものである。本研究は総じて、その言語感性論が1800年前後のヨーロッパにおける知的ネットワークの重要な交差点であったことを示しえた。
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自由記述の分野 |
ドイツ文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年のヨーロッパでは、多言語に秀でたA. W. シュレーゲルの、翻訳者としての業績が高く評価されている。こうした評価の背景には、ドイツ・ロマン派の思想を多文化主義、あるいはコスモポリタニズムに接続させようという、現代ヨーロッパならではの政治的・文化的事情もある。本研究はこうした再評価の機運を背景としつつ、さらに一歩踏み込んで、A. W. シュレーゲル1800年前後のヨーロッパにおける思想的ネットワークの重要な交差点として位置付けた。
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