研究課題/領域番号 |
21K00425
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鴻野 わか菜 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (50359593)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ロシア文学 / ロシア文化 / ロシア美術 / ウクライナ美術 / 現代美術 |
研究実績の概要 |
2021年度は、ロシア現代文学と美術の接点についての研究を進めた。イリヤ&エミリア・カバコフの1970年代から現在までの文学作品、美術作品についての研究を共編著『カバコフの夢』として出版し、カバコフについての論考の執筆、カバコフの文学作品の翻訳、年譜作成等を行った。また、2021年12月にはシンポジウムでも報告を行った。また、新潟県十日町市の「大地の芸術祭」の美術館である農舞台でカバコフの常設展示のキュレーターを務めた。展示と書籍の準備の過程で作家と緊密に連絡を取り、共同討議を重ねたことは、研究の進展に大いに役立った。 ロシアの現代文学についての研究も進め、その成果の一部を『文芸年鑑』で論考として発表した。ロシアの詩人イワン・アフメーチエフらと共同討議を行い、現代詩についての研究を進めた。また、アンドレイ・セン=セニコフ、ドミートリー・クズミンとの共同研究も継続して勧めている。 ロシアの歌曲における音楽と文学の関係についても継続的に研究を進め、今年度はアレクサンドル・ブロークの詩の研究を行い、その成果の一部をロシア歌曲を読むX アレクサンドル・ブローク「町は眠っている」」『日本アレンスキー協会会報』22号(日本アレンスキー協会、2022年2月)、「ロシア歌曲を読むIX アレクサンドル・ブローク「ガマユーン 予言の鳥」『日本アレンスキー協会会報』21号(日本アレンスキー協会、2021年8月)で発表した。 2022年2月のロシアのウクライナ侵攻を受けて、ロシアとウクライナの現代アーティストが侵攻をどのように受け止め、どのような作品を作っているかについても研究を進め、作家達に取材も行った。その成果の一部はシンポジウムで発表し、論考としても発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
多くの作家や研究者の協力を得て、共同討議を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
パンデミックとロシアのウクライナ侵攻により、現地での研究は当面難しいが、ズームやメール等で今後も引き続き作家や研究者と連携を取り、研究を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により海外出張ができなかったため。
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