研究課題/領域番号 |
21K00433
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
梅澤 礼 富山大学, 学術研究部人文科学系, 准教授 (50748978)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | マロ / 犯罪 / 女性 / 精神医学 |
研究実績の概要 |
5月にはカナダ仏文学会(オンライン)に参加し、「文学と閉所恐怖」というテーマに関連して、文学と刑務所についてフランス語で発表を行った。7月には、高志の国文学館(富山)で講演会を行った。マロを児童文学作家として知る世代をおもに対象に、彼の社会派作品について、また彼の作品における犯罪や欲望について、これまでのマロ研究の成果をもとに話をし、結果的に研究成果を広く一般に公開することができた。 8月には、19世紀末のマロと共通点をもつ20世紀の精神科医ド・グレーフについて、ベルギーに赴き調査を行った。その成果は2023年度中に出版予定のド・グレーフに関する著作の中で発表する予定である。10月には、文学作品のなかで女性の殺害がどのように描かれてきたのかについて、国際ワークショップを開き、フランス語で発表した。その内容は、フランスのオンライン紀要Criminocorpusに日仏両語で掲載された。 3月には、マロの『青い血』をめぐるフランス語論文が学会誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究業績は着実に増えており、その点ではおおむね順調に進展している。とくに講演をつうじてここまでの成果を一般に公開できたことは思いもよらない進展だった。だが、コロナでフランスの国立図書館に行けず、電子化されていない作品の調査はできていない。同じ理由から、海外のマロ研究者との交流もできていない。
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今後の研究の推進方策 |
6月には文学と隠語をめぐる国際学会(ハンガリー)で口頭発表を行う。9月には女性と司法に関する国際学会(フランス)で、マロの作品における女性殺人犯について口頭発表を行う。いずれの成果も国際共著の形で出版されることになっている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で、予定していた海外での調査が1回しか行えなかったことによる。国際的な往来が再開したことから本年度は海外での調査に使用できる見込みである。
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