研究課題/領域番号 |
21K00436
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
赤木 登代 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20324882)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | ドイツ第一波女性運動 / 女子教育 / 平和主義 / 19世紀ドイツ市民社会 / ジェンダー / 女性作家 / 女性参政権 |
研究実績の概要 |
2022年度は、2021年度に着手できなかった研究計画に1年遅れで取り掛かった。主な取り組みは以下の4点である。 1.研究者招聘:6月にライプツィヒ大学教育学部から講師を招聘して、教育におけるジェンダーについて、歴史的経緯と現代の比較という観点から研究状況および資料について教示してもらい、同時に、学生対象に「現代ドイツにおける教育の多様性」について講義を依頼した。2.文献収集・講読:ドイツ第1波女性運動の文学作品の活用を調査するため、運動の創始者であるルイーゼ・オットー=ペータース(Louise Otto Peters)の近年発表された研究文献を収集、講読した。さらに、女性運動と平和運動(Pazifismus)の関わりを検討するため、ベルタ・フォン・ズットナー(Betha von Suttner)の文献『武器を捨てよ!』Die Waffen nieder!(1889)ほかを買い入れ、読み始めた。 3.本研究テーマ「ドイツ第1波女性運動における書くことの意味」の中心をなすヘートヴィヒ・ドーム(Hedwig Dohm)の女性運動の理念を盛り込んだ文学作品(小説)を読み進めた。4.研究成果としての著書の発行計画:2年後に発行予定の書籍の章構成を決定し、これまで発表した研究成果と今後必要な論文項目に整理した。 残念ながら、2022年度もコロナ禍の影響と大学の管理職(副学長・図書館長)としての業務多忙により、ドイツにおける研究調査の実施がかなわなかった。2023年度にドイツ近代文学資料館(Deutsches Literatur Archiv Marbach)とドイツ女性運動資料館(Archiv der deutschen Frauenbewegung Kassel )の2つの図書館・資料館を訪問する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度もコロナ禍の影響と大学の管理職(副学長・図書館長)としての業務多忙により、渡独しての研究調査がかなわなかった。これの影響で、紙媒体で復刊、発行されていない、あるいはウェブ上でも公開されていない資料にアクセスすることができなかった。 この影響で、特に、ヘレーネ・ランゲ(Helene Lange)とゲルトルート・ボイマー(Gertrud Baeumer)の女子の高等教育を求める政治活動を探求できなかった。 2023年度は授業のない期間に、研究の遅れを取り戻すべく、すでに入手している資料の講読、分析に集中して取り組み、研究成果である著書発行の準備を進める。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度もコロナ禍の影響と大学の管理職(副学長・図書館長)としての業務多忙により、渡独しての研究調査がかなわなかった。これの影響で、紙媒体で復刊、発行されていない、あるいはウェブ上でも公開されていない資料にアクセスすることができなかった。 2023年度にはドイツ・マールバッハ(Marbach)にあるドイツ近代文学資料館(Deutsches Literatur Archiv Marbach)とカッセル(Kassel)にあるドイツ女性運動資料館(Archiv der deutschen Frauenbewegung Kassel )の2つの図書館・資料館を訪問する。 このように、2021、2022年度と研究への取り組みが遅れているので、2年後の著書の発行に向けて、2023年度は、ヘートヴィヒ・ドームの著作集の分析とドイツ第1波女性運動の始祖であるルイーゼ・オットー=ペータースの執筆活動を掘り下げ、研究発表と論文執筆を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度2021年度に新型コロナ感染症のため、ドイツに渡航できなかったので、、研究費の使用がゼロとなり、2022年度に全額繰り越した。しかし、2022年もコロナ禍と大学での業務が多忙だったため、ドイツに研究調査に行くことができず、ドイツから日本に研究のため来日していた研究者を東京から招へいしたり、日本にて入手可能な文献を購入したり、2023年度の調査のための機器(ノートPC)を準備するにとどまった。
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