研究課題/領域番号 |
21K00438
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02040:ヨーロッパ文学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
大須賀 沙織 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (50706653)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 聖顔 / ヴェロニカ / 受難 / 十字架の道行き / 聖骸布 / 信心会 / 兄弟会 / ジョルジュ・ルオー |
研究成果の概要 |
①論文「トリノの聖骸布とヴェロニカの聖顔布についての覚書―福音書から受難劇まで」(2022)により、聖顔布をめぐる伝承の生成過程を明らかにした。福音書、聖書外典、受難詩、受難劇を考察対象とした。 ②論文「ナントの聖ヴェロニカ兄弟会とトゥールの聖顔の大信心会―受難のキリストを見つめる霊性の地域的展開」(2023)により、聖顔に根差す中世の兄弟会と近現代の信心会の実態を調査比較し、信心の手引書と出版物の概要を示した。 ③論文「ジョルジュ・ルオーにおける聖顔とヴェロニカ覚書―信仰と文学をめぐって」(2024)により、《聖顔》の連作の概要と変遷を調査し、ルオーの信仰とその周辺の文学者たちの影響を考察した。
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自由記述の分野 |
フランス文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、傷ついたキリストの顔を見つめ、受難の神秘に浸透しようとする霊性が、フランスでどのように生成され、展開してきたか、歴史的、文学的、図像学的側面から調査分析がなされた。①聖骸布と聖顔布をめぐる伝説が、福音書から受難劇まで、さまざまなヴァリエーションを生みながら継承された流れが示された。②中世の「聖ヴェロニカ兄弟会」と、近現代の「聖顔の大信心会」という、ローカルでマイナーな、しかしナントとトゥールでは重要な歴史の一面が示された。手引書の概要と出版物目録により信心史の具体的側面が示された。③《聖顔》を描きつづけた画家ジョルジュ・ルオーの信仰と作品への反映、特殊な文学的環境が明らかにされた。
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