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2023 年度 研究成果報告書

科学表象としての騒音   科学と近代都市生活の表象関係の批判的分析

研究課題

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研究課題/領域番号 21K00445
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分02040:ヨーロッパ文学関連
研究機関早稲田大学

研究代表者

原 克  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (40156477)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード文化学 / 表象分析 / 都市論 / 大衆社会 / 騒音 / 公共性 / 社会関係性 / 科学表象
研究成果の概要

ポピュラー系科学雑誌に触発されて都市の音風景から近代を分析してきた。騒音をめぐり自由の概念が生活感覚として生活習慣化してゆくようすを追った。神経衰弱という用語で個人的内面性という図式が刻まれ、人間工学的疲労研究という用語で近代的自我というスキームが輪郭づけられてゆくのを見た。森厳という言葉が特権化されてゆき国家主義的イデオロギーが確定してゆき、都市の交響楽というフレーズで都市の騒音環境が表象問題に還元されてゆく顛末を明らかにした。そして、これらを綜合して理念や思想信条とは違った角度から、感性と身体表象の歴史として近代をあぶりすことができた。

自由記述の分野

文化学表象分析

研究成果の学術的意義や社会的意義

以下の普遍的な視点を社会に還元することを得た。
騒音はつねに反権力だ。静謐なり静穏なり音響的秩序が存在しているとき騒音はつねにこの安定的な秩序を犯し破壊する外部からの力だ。つまり秩序を破壊する無秩序に当たる。ゆえに静寂と騒音のせめぎあいは音の権力闘争だ。文化的正統性、道徳的規範性、審美的価値の卓越性など、権力構造は政治を越えあらゆる文化領域に存在する。音の権力闘争としての騒音問題はあらゆる場所で発生する。遠くは都市空間における公共性や国家との関係、近くは近隣社会における共同体的人間関係や社会関係性を経て、最後は精神における近代的自我や自己同一性に至るまであらゆる場所にあらゆる姿で起こってくる。

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公開日: 2025-01-30  

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