以下の普遍的な視点を社会に還元することを得た。 騒音はつねに反権力だ。静謐なり静穏なり音響的秩序が存在しているとき騒音はつねにこの安定的な秩序を犯し破壊する外部からの力だ。つまり秩序を破壊する無秩序に当たる。ゆえに静寂と騒音のせめぎあいは音の権力闘争だ。文化的正統性、道徳的規範性、審美的価値の卓越性など、権力構造は政治を越えあらゆる文化領域に存在する。音の権力闘争としての騒音問題はあらゆる場所で発生する。遠くは都市空間における公共性や国家との関係、近くは近隣社会における共同体的人間関係や社会関係性を経て、最後は精神における近代的自我や自己同一性に至るまであらゆる場所にあらゆる姿で起こってくる。
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