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2021 年度 実施状況報告書

微視的類型論・機能主義的観点によるバルト海周辺諸語の否定の地域言語学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K00477
研究機関名古屋大学

研究代表者

佐久間 淳一  名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (60260585)

研究分担者 入江 浩司  金沢大学, 歴史言語文化学系, 教授 (40313621)
當野 能之  大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 准教授 (50587855)
大辺 理恵  大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 講師 (80648949)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード否定 / パラレル・コーパス / 微視的類型論 / 機能主義 / 地域言語学 / フィンランド語 / スカンジナビア諸語 / バルト語
研究実績の概要

本研究では、対象言語(フィンランド語、アイスランド語、リトアニア語、ロシア語、スウェーデン語、デンマーク語等)のパラレル・コーパスを活用することとしているが、平成29年度~令和元年度(新型コロナウィルス感染症のため令和3年度まで延長)に補助を受けた別の科学研究費課題で作成した『星の王子さま』のパラレル・コーパスのみでは本研究の遂行に十分ではないと判断し、今年度は『ハリー・ポッターと賢者の石』のパラレル・コーパス作成作業に取り組んだ。
その上で、対象となる各言語において、否定の副詞または否定を含む代名詞など、否定を表す要素の出現位置や共起関係等に関する調査を行った。調査結果を突き合せた結果、各言語の否定表現は、副詞によるもの、形容詞によるもの、不定代名詞によるもの、それらの組み合わせによるものなど様々であることを確認した。また、本研究が対象言語間の対照研究を企図していることから、調査結果に基づき、否定に関わる統語事象のうち、本研究における主たる考察対象を選定した。具体的には、否定を表す要素の文中における出現位置とその歴史的変遷、主節-従属節間における否定を表す要素の移動および否定のスコープの調節等を主たる考察対象として、次年度以降、継続して調査を進めることとした。
研究代表者、研究分担者、研究協力者による定期的な研究打ち合わせは、新型コロナウィルス感染症のため、オンラインで行うとともに、随時、メール等で情報共有を図った。本年度中に予定していた海外現地調査については、引き続き海外渡航が困難な状況にあったため、次年度以降に持ち越すこととした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

令和3年度の当初計画では、海外における現地調査を予定していたが、新型コロナウィルス感染症が未だ収束せず、海外渡航が困難だったため。また、参加メンバーの中に、研究に従事できない個人的事情が生じたため。

今後の研究の推進方策

次年度は、パラレル・コーパスの拡充に取り組むとともに、本研究の主たる考察対象に選定した事象に関し、具体例に即した考察を進める。その際、コーパスを活用するとともに、本年度実施できなかった分も含めて海外現地調査を行い、ある表現に関して、他の表現で代替することが可能かどうか、可能な場合、何らかの意味的な違いが生じるかどうか等について、母語話者から聞き取り調査を行う。聞き取り調査の結果を元に、各言語の事象を機能主義的観点から考察するとともに、その考察結果を定期的に開催する検討会に持ち寄って、微視的類型論の観点から言語間の対照研究に発展させる。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染症が未だ収束せず、海外渡航に制限があり、本年度計画していた海外現地調査ができなかったため、海外現地調査のための旅費と、その調査によって得られたデータ等の整理のために大学院生等を雇用するための人件費が未使用になっている。当該の海外調査については、新型コロナウィルス感染症や国際情勢を勘案の上、できるだけ早期に実施する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] 「「それほど高くない程度」を表すmegetについて」2022

    • 著者名/発表者名
      大辺理恵
    • 雑誌名

      IDUNー北欧研究ー

      巻: 24 ページ: 81-97

    • DOI

      10.18910/87439

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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