ドイツ語の未来形における現在の事態の推量を表す用法がどのように発達したのかという問題においては、未来のことも現在のことも同時に表す一般論を表す用法がもとになっている。一般論においては未来か現在かという区別が難しいために、未来形の現在時の推量を表す用法が始まった時期を確定できないが、そのような不明瞭な成立こそが現在時の推量を表す未来形の成立の実態であったと考えられる。ただし、法助動詞+完了不定詞における認識的用法が過去の推量を表す未来完了形の成立を促し、そこから未来形の現在時の推量の用法が確立した可能性も残される。
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