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2023 年度 実施状況報告書

ハワイ語を事例とする危機言語の世代間継承とメディア利用に関する談話分析的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K00511
研究機関早稲田大学

研究代表者

古川 敏明  早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (90609372)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードハワイ語
研究実績の概要

危機言語の記述研究は,言語理論への寄与とともに,言語共同体への支援を目指し,言語学において重要度の高い仕事である.これまでに文法書,辞書,物語などのテクスト集が編まれてきた.一方で,記述研究は言語データが話者間の相互行為で産出されるという視点が弱い.本研究の目的は,危機言語の記述研究に相互行為の視点を導入すること,マスメディア(ラジオとSNS)という非伝統的な制度的場面におけるやり取りを相互行為として分析することの2点である.こうしたアプローチにより,従来の記述研究を補完・深化させる.
本研究では,ハワイ語の世代間継承とメディア利用の実態を従来と異なる方法で明らかにするため,3つの観点からデータ収集・分析を行っている.まず,ハワイ語ラジオ番組KLH の第2期のデータベース構築を優先的に進め,相互行為の分析を行っている.時には第1期のデータと比較しながら,第2期の主たる参加者である第二言語話者同士の会話の特徴とアイデンティティー構築に関する分析を蓄積している.
次に,コロナ禍で急速に進んだオンライン・イベントにおける相互行為データを収集している.具体的には,FacebookやZoomを利用して配信されるウェビナーにおけるやりとりを対象に,第二言語のハワイ語使用者としてのアイデンティティー構築を軸に分析している.
最後に,ラジオやSNS配信番組といったメディア利用がハワイ語の世代間継承という目標とどのように結びついているのか明らかにするため,ハワイ州在住のハワイ先住民たちを対象とした予備的な聞き取り調査を実施した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2022年度から引き続き,2023年4月から7月までは国際共同と合わせた現地調査を実施していたため,本研究課題は順調に進展していた.しかし,帰国後は勤務校にて1年度分(通常の学期の2倍)の授業数を担当する必要があったため,課題の進行が著しく滞るところとなった.

今後の研究の推進方策

ハワイ語ラジオ番組KLHの第1期,第2期のデータベース構築(文字起こし)を計画通り継続し,論文の投稿準備を進める.また,新データであるPodcastおよびYouTubeにおけるやりとりの文字起こしと分析も継続する.

次年度使用額が生じた理由

2023年7月末に帰国してからは勤務校にて担当授業数が1年度分(学期の2倍)となったことをはじめとして,学内業務に対処することに集中せざるを得なかったため,再び海外渡航をして現地調査をすることが極めて困難であった.2024年度後半から再びそうした機会を増やしつつ,本研究課題の延長を視野に入れていくことになる.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 地名「カプーカキー」と「レッドヒル」の指標性 : ハワイの環境汚染問題をめぐる公聴会の会話分析2024

    • 著者名/発表者名
      古川 敏明
    • 雑誌名

      言語文化共同研究プロジェクト

      巻: 2023 ページ: 11-20

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 言語再活性化運動とニューノーマルの実践 : コロナ禍のハワイ語ウェビナーAi Koleを事例として2023

    • 著者名/発表者名
      古川 敏明
    • 雑誌名

      言語文化共同研究プロジェクト

      巻: 2022 ページ: 14~23

    • DOI

      10.18910/91557

    • オープンアクセス
  • [学会発表] Illuminating Variation in Hawaiian: Style Shifting in the Podcast ‘Tuitui Malamalama’2024

    • 著者名/発表者名
      Toshiaki Furukawa
    • 学会等名
      7th CAN-Asia Symposium on L2 Interaction
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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