研究課題/領域番号 |
21K00512
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
武藤 彩加 中部大学, 人文学部, 教授 (00412809)
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研究分担者 |
伊藤 泰信 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (40369864)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 生理学的普遍 / 多様性 / 味を表す表現 / 生理的動機づけ / 環境的動機づけ / 認知的動機づけ / 味覚 / 共感覚的比喩 |
研究実績の概要 |
今年度は国際学会にて口頭発表を行い、さらにその内容を国外のジャーナル(査読付)に研究論文としてまとめた。今年度のおもな研究成果は以下の通りである。 ある食品に対してその食感を表す際にどのような表現が日本語母語話者によって使用されるのかという点について検証した。具体的には、食品と食感の表現の慣用的な結びつきについて大学生と小学生児童を対象としたアンケート調査の結果に基づき考察し、そこに違いがみられるのかという点についてまとめた。また小学生児童においての学年の違い(1年生から3年生)による差がみられるのかという点についてもあわせて観察した。その結果、以下の点が明らかになった。13種類の食品の食感を表す際に、大学生は1種類(または2種類)の表現のみを使用するのに対し、小学生はそうではなく、学年の別なく少なくとも3種類以上の表現を使用する傾向があるという結果であった。例えば、納豆については大学生はおもにネバネバを使用するのに対し、児童は学年の別なくベタベタ、ネットリ、ベトベトなどの表現も使用する(「ベタベタの納豆」)。また氷については、大学生はおもにガリガリを使用するのに対し、児童は学年の別なくザクザク、コリコリ、カリカリなどの表現も使用する。ほかにパスタ、ブランデーケーキ、コーンスナック、キャラメル、ゼリー、ハチミツ、チーズ、レタス、麺なども同様の結果であった。 以上のように、今回の小学生児童を対象とした調査においては、児童の回答結果に学年(1年生から3年生)による大きな違いは認められなかった。この結果がいわゆる「自然な日本語」の習得とどう結びつくのか。むろん今回の調査および考察はあくまでもケーススタディであり、引き続き被検者を増やすなどして調査を続ける必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度末に、延期されていた英語圏でのインタビュー調査を実施することができた。この調査で得た情報をもとに、今後は英語圏の小学校での調査を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度に実施した調査において、日本語を母語とする児童によって使用された表現が一般的に使用される表現なのかどうか、クックパッドなどにおける実例で確認することが目前の課題である。 ベタベタの納豆、ムチムチしたパスタ、ムチムチした団子、ピチャピチャしたメロン、ジューシーなブランデーケーキ、ネバネバのキャラメル、ツルツルのゼリー、ネバネバしたハチミツ、ネバネバしたチーズ、サクサクのレタスなど
さらに日本語非母語話者を対象とした、同様の調査を実施したいと考えている。さしあたって、英語圏での調査を予定している。 また英語をはじめとする他の言語においても食品と表現との慣習的な結びつきがみられるのかという点について引き続き検証を続ける。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定されていた定量調査が延期されていたため次年度使用額が生じてしまったが、今後、以下の調査を実施する予定である。1,官能検査用語(味の表現)の国際標準規格であるISO 5492 Sensory analysis VocabularyおよびJIS Z 8144官能評価用語等をもとに、日英語の味覚表現を網羅的に収集し、味を表す表現の分類表により分類し全体を把握する→2,どの表現が各国の英語母語話者に多く使用されるのかをGloWbEコーパスにより国別に整理する(味覚系・食感系・情報系別で表現を抽出)→3,その結果をもとに、各国で各表現がTwitter上でどのように使用されているかもみる(検索ワードのツイート数およびその事例データを国別に収集)→4,各地域において、テクスチャ表現がどの程度使用されるのかを定量調査により明らかにする(男女差・地域差・年齢差を考慮し、1か国500サンプル規模・70問)
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