研究課題/領域番号 |
21K00521
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
辛 昭静 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 客員研究員 (40597192)
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研究分担者 |
石崎 雅人 東京大学, 大学院情報学環・学際情報学府, 教授 (30303340)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 介護コミュニケーション / 介護福祉士 / 高齢者 / 普通体 / 異文化間コミュニケーション |
研究実績の概要 |
本研究では,医療従事者の言葉遣いの中でも,特に普通体使用に注目して,介護場面における医療従事者と高齢の患者間の効果的なコミュニケーションスタイルを探ることを目的とする。また,日本と韓国の介護場面で用いられるコミュニケーションスタイルを比較することで,多文化共生社会における外国人(韓国人)高齢者への対応も併せて考える。その結果に基づいて,日本で暮す外国人が安心して快適な介護が受けられる環境作りに必要な異文化間コミュニケーションの在り方について検討する。 そのため,まず介護場面における日本人同士のコミュニケーション問題を探るべく,70代以上の高齢者1,664名(男性832名,女性832名)と介護福祉士(男性305名,女性519名)を対象に介護場面における介護福祉士の普通体使用に対する評価を比較するインターネット調査を行った。この際,評価の対象となるシナリオは,高齢者と介護福祉士との年齢差と親疎関係が評価にどう影響するかが調べられるよう工夫した。現在データの分析中である。 今後は,日本や韓国での介護場面における医療従事者のコミュニケーションスタイルの実態を把握することで,そこから見られるそれぞれの特徴を明らかにし,日本人高齢者と日本人介護福祉士,韓国人高齢者と日本人介護福祉士間の効果的なコミュニケ-ションスタイルの提案を試みる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
日本と韓国でそれぞれ、研究協力者が勤めている医療機関において,医療従事者と高齢の患者の了解を得て実際の介護場面で行われる会話を収録し分析する予定であったが,コロナの影響で韓国への渡航が難しく,計画が延期になっている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画としては,まず介護場面における日本人医療従事者と韓国人医療従事者のコミュニケーションスタイルを比較するため,日本と韓国で実際の介護場面で行われる会話を収録し分析する予定であったが,コロナの影響で韓国での調査の目処が立たないため,調査の順番を変更し,介護場面でのコミュニケーションスタイルについて,介護をする側(医療従事者)と受ける側(高齢の患者とその家族)の意識調査を先に行うこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた韓国での調査が計画通り進まなかったため,予算を次年度に繰り越すことになったが,コロナの状況をみて,韓国と日本での調査を実施するつもりである。
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