本研究では、話し言葉と書き言葉そして標準語と方言が共存しており、作者の言語的背景や社会・文化的環境が知られているという小説に注目し、その言語変化の要因を突き止めようとする試みである。その点で本研究はコーパス言語学と文学史の学際的研究と位置づけられる。 小説という特定のジャンルに限定されるものの、小説テクストにおける語彙使用の変化と文法範疇・文の構造の変化を記述することで言語変化の全体像の把握が期待される。そして頻度のみでなく、作家の出生年代、言語環境、社会情勢を因子と捉え、質的側面をも反映する研究として韓国語コーパス言語学、文体論および韓国語社会言語学の学際的研究として新しい知見の提供ができる。
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