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2021 年度 実施状況報告書

タガログ語における人魚構文の類型論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K00527
研究機関岡山大学

研究代表者

片桐 真澄  岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (80294388)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード人魚構文 / mermaid construction / 体言締め文 / 述語初頭言語 / 類型論
研究実績の概要

本年度は、研究課題に関する先行研究や関連文献資料の整理整理を中心に研究を行った。当初行う予定であった現地調査および現地調査で収集する言語資料の整理と分析は、新型コロナウィルス感染拡大による渡航制限等のため実施できなかった。
人魚構文に関する先行研究については、体言締め文に関する研究を含め限られているものの、Tsunoda ed.(2020)を中心として文献の整理を行い、世界の多様な言語の状況を把握した。筆者のこれまでの研究により、タガログ語の人魚構文は、定形タイプと不定形タイプの二タイプに大きく分かれることがわかっているが、そのような分岐を見せる言語は、日本語をはじめ他の言語には少ないことがわかった。このような分岐が何を動機とするものかということについて、それぞれのタイプを要求する名詞の種類を中心に考察する必要がある。また、人魚構文のほとんどはSOV型の述語末尾言語に見られ、中国語や英語のような述語中央言語にはほとんど観察されない。述語初頭言語については筆者の研究によるタガログ語のみが報告されているが、人魚構文の「動詞節+名詞述語」という(少なくとも表層的な)構造上、他の述語初頭言語にもあることが予測される。類型論的な観点から、語順と人魚構文の相関関係を明らかにするために、タガログ語以外のフィリピン諸語や他のVSO, VOS言語についても調査することが望ましいため、それらの言語についての文献資料にも今後あたる必要がある。
今後の新型コロナウィルス感染症の状況をふまえ、今年度の研究についても、当初の現地調査中心から、上記で述べたような文献調査を中心にシフトしていく可能性もある。また、言語資料の収集と分析をコーパス資料などを中心に進めていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルス感染症拡大による渡航制限等のため、当初予定していた現地調査や言語資料の収集および分析をすることができなかったため。

今後の研究の推進方策

人魚構文に関連する文献調査を行う中で、当該構文のほとんどはSOV型の述語末尾言語に見られ、中国語や英語のような述語中央言語にはほとんど観察されず、述語初頭言語については筆者の研究によるタガログ語が報告されているのみである。「動詞節+名詞述語」という(少なくとも表層的な)構造上、述部が末端にある言語に当該構文は起こりやすいと見られるため、他の述語初頭言語にもあることが予測される。類型論的な観点から、語順と人魚構文の相関関係を明らかにするために、タガログ語以外のフィリピン諸語や他のVSO, VOS言語についても調査することが望ましいため、それらの言語についての文献資料に今後あたる必要がある。
今後の新型コロナウィルス感染症の状況をふまえ、今年度の研究については、当初の現地調査中心から、上記で述べたような言語の文献調査を中心にシフトしていく可能性もある。
また、タガログ語の言語資料についても、現地調査が難しい場合、コーパスなどの文字資料を用いたものを中心として収集と整理を進める。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルス感染拡大による渡航制限等のため、当初行う予定であった現地調査を実施することができなかったため、次年度使用額が生じた。今年度は、感染状況をふまえつつ、現地調査を実施可能であれば行う予定であり、この額を使用する予定である。一方、今年度も現地調査の実施が難しいようであれば、言語資料の収集方法について、現地調査によるものからコーパス等を中心とする文字資料やオンラインによる調査にシフトする可能性もある。また、実施計画で述べたように、タガログ語以外の述語初頭言語についても調査をする必要が生じたため、それらの言語の文献調査を中心に行う可能性もある。これらの言語資料の収集や整理にその額を使用する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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