研究課題/領域番号 |
21K00530
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研究機関 | 藤女子大学 |
研究代表者 |
井筒 美津子 藤女子大学, 文学部, 教授 (00438334)
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研究分担者 |
井筒 勝信 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (70322865)
小熊 猛 金沢大学, 外国語教育系, 教授 (60311015)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 独り言 / 発話類型 / 独話化辞 / 聞き手意識・他者意識 / 言語的特異性・類似性 |
研究実績の概要 |
本課題の研究目的は、日本語、英語、韓国語を中心とした「独り言」の通言語的・類型論的研究を行うことである。具体的には、独り言の範疇化(「感情の発露」「思考の手助け」「自分との対話」など)を行い、これらのタイプ別に研究課題を設定し、独り言の言語的特異性と類似性を明らかにすることを目的とする。 交付申請書に記載した三つの研究課題のうち、2021年度は ①「感情の発露」として現出する独り言の対照研究を行った。日本語母語話者と米語母語話者を対象に、response cries (Goffman 1978)に関するアンケート調査を行い、その研究成果を国際学会で発表した。 また、研究代表者らは、2021年6月に開催された第17回国際語用論学会(オンライン)で、パネルセッション(Solitude speech: cross-linguistic approaches to monologue)を企画し、様々な言語のsolitude speech(独白や内言を含む)に関する発表を通して、国内外の研究者と研究成果の共有や意見交換を行った。そのパネルセッションの中で、研究代表者らは、上記のresponse criesに関する口頭発表を行った。口頭発表の内容は、英語論文としてまとめ、2022年2月に国際誌に掲載された。 また、パネルセッションでは、コーディネーターを務めた研究代表者らは、パネル参加者の発表内容を総括した上で、独り言の範疇化に関するモデルを提案した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に計画していた ①「感情の発露」として現出する独り言については、日本語・英語母語話者を対象とする研究成果を国際学会で発表し、英語論文としてまとめてることができた為、おおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、①「感情の発露」として現出する独り言の日韓語研究を進める予定である。また、三つ目の研究課題である③「もう一人の自分との対話」として現出する独り言の対照研究についても、並行して進めて行きたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの流行により国際学会がオンライン開催になり、旅費の支出がなかったため。次年度繰り越し分は、翌年度分と併せて海外調査及び学会発表旅費等に使用する予定である。
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