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2022 年度 実施状況報告書

難解な感染症関連用語の言い換えや説明の案出と理解促進効果の検証

研究課題

研究課題/領域番号 21K00551
研究機関大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所

研究代表者

横山 詔一  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 教授 (60182713)

研究分担者 野崎 浩成  愛知教育大学, 教育学部, 教授 (80275148)
相澤 正夫  大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, 名誉教授 (80167767)
前田 忠彦  統計数理研究所, データ科学研究系, 准教授 (10247257)
久野 雅樹  電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (20282907)
研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード感染症関連用語 / 難解用語 / 理解促進 / 言い換えと説明 / 可読性
研究実績の概要

これまでの成果を慎重に検討・吟味して、研究計画の一部を以下のように修正した。
医学研究(者)の言葉が現場の医師に十分に伝わっていない場合、患者に対する医師の説明が正確ではなくなり、さまざまなリスクの原因になると考えられる。この仮説を直接的に検証することは容易ではなく、新しい方法論の開拓などが必要になるが、まず第一歩として、医学研究(者)の言葉が、現場の医師にどの程度理解されているかについて実態を調査した。
調査の枠組みは、国語研の『「病院の言葉」を分かりやすくする提案』(2009)の考え方の一部を下敷きにした。国語研調査の狙いは「医師の言葉が患者に伝わらない原因」等を明らかにすることにあったが、この調査は医学研究(者)の言葉のうち「特異度、信頼性、安全度」の三語について医師の認知率や理解度を測定した。
・「特異度」:先行研究によると、この語は専門家でも意味の理解の正解(理解度)が半分ぐらいにとどまる。専門家における認知率は調査されていないことから、現場の医師に言葉が知られていない(なじみがない)ために理解度が低いのか、医師の理解に不確かな部分がある(知識が不十分)ためなのか判然としない。
・「信頼性、安全性」:専門用語の意味が、日本語の一般的な意味と違っている典型例。気づかない方言のアナロジーで「気づかない専門用語」とでも言えよう。一般の人が日常的に使用している語であり、国語辞書にも(一般的な意味が)掲載されていることが、専門家どうしのコミュニケーションにおいても影響し混乱をきたす。つまり、一般からの影響が専門家にも及ぶボトムアップタイプの問題で、これまでは取り上げられてこなかったものである。一般の人のほか、異分野を含む専門家どうしが意思疎通しあうための「共通語彙基盤」をどう作るかを考える際のヒントにもなると考えた。
現在、収集されたデータの分析を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

修正した計画にしたがって「特異度、信頼性、安全度」の三語について医師の認知率や理解度を測定することができたため。

今後の研究の推進方策

これまでに得られた成果を論文にまとめてプレプリントサーバJxivに投稿する。

次年度使用額が生じた理由

計画した調査研究の作業を開始する準備段階で,別の研究グループによる学会等の発表がタイミングよくあり,その部分の経費が節約できたため。今年度は残額をすべて使い切るように研究を進める予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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