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2023 年度 実績報告書

文字生活史としての近世庶民の漢字意識ー『小野篁歌字尽』周辺資料を中心としてー

研究課題

研究課題/領域番号 21K00560
研究機関関西大学

研究代表者

乾 善彦  関西大学, 文学部, 教授 (30193569)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
キーワード小野篁歌字尽 / 小野バカムラ嘘字尽 / 言語生活
研究実績の概要

本年度は、最終年度として、『小野篁歌字尽』の総合的なデータ化を整理して、研究成果報告書「『小野篁歌字尽』とその展開」を作成した。また、その一部として『小野[竹冠に愚]嘘字尽』の展開」(国文学108、2004.3)を発表した。前者では、3年間のまとめとして、第一部で『小野篁歌字尽』の字体資料としての資料性を論じ、その展開資料の整理を行った。第二部では、とくに『小野[竹冠に愚]嘘字尽』を中心とした展開資料を吟味して、『小野篁歌字尽』の展開資料のあり方について、その影響の大きさについて考察した。また、展開資料一覧に加え、諸本一覧、掲出字一覧、字体一覧、『うそ字拾遺』字体表を資料として付して、今後のこの方面の研究の基礎資料を公開してある。後者では、とくに複雑な版種のあり方が問題となっている『小野[竹冠に愚]嘘字尽』の出版事情を明らかにしたうえで、その展開資料の整理して、『小野[竹冠に愚]嘘字尽』にない「嘘字」の方法を明らかにし、その上で『小野[竹冠に愚]嘘字尽』自体が起点となる『小野篁歌字尽』の展開資料の一群の存在を明らかにすることで、新たな「嘘字」作成が展開の一方法であることを指摘した。これによって、『小野篁歌字尽』の展開の方法として、歌による文字習得の方法を継承した流れと、「嘘字」作成、新たなパロディー化による展開の方法、さらに「歌字尽」という書名の継承のおおきく三つの方法を指摘し、それぞれの方法による資料の整理をおこない、近世を通じてさまざまに展開した『小野篁歌字尽』の展開資料について、「文字生活史」からみた全体像を記述した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 『小野〓[竹冠+愚]嘘字尽』の展開―『小野篁歌字尽』の展開記述のために―2024

    • 著者名/発表者名
      乾善彦
    • 雑誌名

      国文学

      巻: 108 ページ: 263-278

  • [雑誌論文] 文字と絵―「文字生活史」の観点から2023

    • 著者名/発表者名
      乾善彦
    • 雑誌名

      ことばと文字

      巻: 16号 ページ: 169-177

  • [図書] 『小野篁歌字尽』とその展開2024

    • 著者名/発表者名
      乾善彦
    • 総ページ数
      172
    • 出版者
      私家版

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公開日: 2024-12-25  

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