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2023 年度 実施状況報告書

thatが現れる特異な補文現象の領域横断的研究:社会言語学と理論言語学からの接近

研究課題

研究課題/領域番号 21K00571
研究機関西南学院大学

研究代表者

谷川 晋一  西南学院大学, 外国語学部, 教授 (20585426)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード補文標識that / 間接疑問節 / 破格の文法
研究実績の概要

本研究の目的は、補文標識thatに関する非標準的な文法形式(破格の文法形式)が、英語母語話者によって、どの程度、使用・容認され、容認される話者にとって、当該形式に、どのような(社会的)意味を伴うかを明らかにすることである。
2023年度は、"I wonder that what is the big deal" のように動詞が補文標識that+疑問節を選択する非標準的な間接疑問形式に関して、コーパス調査を行った。English Corpora.org (https://www.english corpora.org/)に収録されている、iWeb, GloWbE, NOWという3つのコーパスを使用し、通常、補文標識thatで導かれる節を選択しない動詞であるwonder, askが補文標識that+疑問節を選択する破格の文法形式が、どの程度、使用されているのかを調査した。先行研究では、当該形式がイギリスのテレビ・ラジオ放送で使用されているという報告がなされていたが、コーパス調査の結果、大筋で、以下の2点が明らかになった。

1. GloWbEとNOWでの出現数は非常に少なかったが、イギリスのみならず、アメリカやオーストラリア等、他のインナーサークルの英語でも、当該形式が一定数、観察された。
2. 補文標識thatに後続する疑問節に、主語・助動詞倒置が適用されている形と適用されていない形の2種類があった。
なお、本調査の結果は、書籍に収録された論文として、2024年3月に発行・公開されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度は、研究計画に従って、コーパス調査を行うことで、当該形式がインナーサークルの英語一般で観察されるところまでは明らかにできた。当該年度は、これに加え、アメリカ、イギリス、オーストラリア等、英語のインナーサークルに分類される地域の1つを訪れて、実地調査を行いたかったが、所属研究機関の異動等もあり、それが叶わなかった。その点を考慮すると、研究計画は、やや遅れている。

今後の研究の推進方策

2024年度は、英語のインナーサークルに分類される地域の1つを訪れて、実地調査を行いたい。既に、オーストラリアのオーストラリア国立大学を軸に、当該調査を行えるように調整中である。コーパス調査で収集した例や自身の作例を英語母語話者に提示した上で、容認の可否、使用頻度、社会的意味等に関して尋ねる調査を行えるようにしたい。

次年度使用額が生じた理由

海外に渡航しての実地調査ができなかったため、次年度使用額が発生した。この額については、次年度の海外渡航費として使用したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 福岡言語学会50周年記念論文集2024

    • 著者名/発表者名
      谷川晋一
    • 総ページ数
      534
    • 出版者
      開拓社
    • ISBN
      978-4-7589-2400-9

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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