• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

日英語における所有の概念と名詞句の意味機能との関連性

研究課題

研究課題/領域番号 21K00578
研究機関熊本学園大学

研究代表者

小深田 祐子  熊本学園大学, 商学部, 准教授 (50466653)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワード名詞句の意味機能 / 飽和名詞 / 非飽和名詞 / 所有構文 / 譲渡可能所有 / 譲渡不可能所有
研究実績の概要

2023年度は、これまでの研究で扱ったデータを基にして、所有構文の目的語名詞句の表す譲渡可能性について整理をおこなった。具体的には、目的語名詞句の表す所有の概念として、譲渡可能所有か、譲渡不可能所有かという区別は、語彙的に固定されたものではなく、文脈によって変わりうるのか、という点を考察した。従来の研究では、名詞句自体の意味機能は、語彙レベルにおいて常に固定されていて、変化するものではないという考えが主流であり、特定の構文内で、その意味機能が変化しうるという事実が見過ごされている。しかしながら、これまで扱ったデータを踏まえると、所有構文および所有動詞に関連する獲得動詞を含む構文においては、目的語名詞句が、ある条件下では、譲渡不可能所有をあらわすものとして解釈され、その一方で、別の条件下では、譲渡可能所有をあらわすものとして解釈されると考えられる。この差は、名詞句の飽和性の観点からも説明可能と思われる。すわなち、当該の構文では、特定の条件下で、名詞自体の語彙的意味とは独立して、その解釈が、飽和解釈もしくは非飽和解釈のいずれかに強制(coerce)されるとも言い替えられる。この点を踏まえて、今後は、目的語名詞句の意味機能・飽和性と情報構造との関係性を詳細に探る予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

予定外の校務が入るなどして、研究に割く時間がかなり減少してしまったため。また当初、想定していたよりも、先行文献での主張や関連データの精査に時間を要し、研究成果を発表することができなかったため。

今後の研究の推進方策

今後は、目的語名詞句の飽和性(飽和名詞・非飽和名詞)が情報構造とどのように関係するのかを考察したい。

次年度使用額が生じた理由

学会・研究会等がオンライン開催となったものがあったこと・校務のため参加できなかった等の理由で、旅費がかからなかったため。次年度以降も、引き続き関連する書籍の購入など物品費に充てる予定である。

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi