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2021 年度 実施状況報告書

英語の非標準的・周辺的構文の文法原理等遵守についての理論的・実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K00580
研究機関東京学芸大学

研究代表者

鈴木 猛  東京学芸大学, 教育学部, 教授 (00187741)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
キーワードDegree word / of / 不定冠詞 / 単数名詞 / 述語量化 / Negative Polarity
研究実績の概要

本年度については、論文作成とコーパス調査を行うことができ、それぞれ以下の成果を挙げた。論文においては、(1) Deg-Adj-a-N構文と(2) Deg-Adj-of-a-N構文に関する理論的考察2点を著すことができた。1点目として、抜き出しの可能性から(1、2)は同じ構造を持つことが予測されることを指摘し、その帰結として歴史的には後からofが挿入され後者の構文が出現することを主張した。2点目として、今まで指摘されていない次のような何らかの意味的条件が(2)に課されている可能性を論じた。
(3) a. How big of a problem it is! b. *How strange of a problem it is!
コーパス調査ではCOCAを用い、主に(2)の実例をできる限り列挙し、現在整理中である。Degによって実例数に大きな差があり、tooはそれなりの数とAdjの種類があるが、他方、so, as, this, thatの例は予想より遥かに少ないことがわかってきた。これは(2)が語彙的に制限を受けており、構文としてまだ新しいことを示唆していると考えられる。これらの発達を導いていると仮定している述語量化詞much of, more of, enough of, less ofなどの例も収集し、整理中。
加えて、Affective context(AC)に限られる傾向のあるもの(too, that)とそうは言えないものの2種類があるかもしれないことがデータから見えてきた(現在整理・検討中)。tooは定義上ACを作るが、thatがACに限られるNegative Polarity item (NPI)だとすると興味深い。なぜなら本研究では、(2)がmuch ofなどの述語量化の延長上にあるという仮説を支持しようとしているが、much ofはNPIであり、その性質がthatタイプに引き継がれている可能性が見えてきたことになり、(2)とmuch ofとの関係性が支持されるからである。さらに、NPIでないタイプは別の発達系統なのかという新たな問いにつながる可能性がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

理論的考察を論文にすることができたのとコーパス調査の進捗状況から、おおむね順調といえる。

今後の研究の推進方策

今後引き続きコーパス調査を続けつつ、述語量化との関連、Degと共起するAdjの性質等を検討し、何らかの意味的条件の有無・性質を明らかにしたい。
コーパス調査から新たに見えてきたこととして(1) Deg ごとにあるかもしれない性質の違いと(2)(少なくても一部の) Deg-Adj-of-a-N構文がNPIである可能性、の2点がある。この2点にフォーカスしてデータ分析とデータ調査を進めたい。

次年度使用額が生じた理由

感染症対策で主な会議・学会はオンラインで行われ、出張をせず旅費が予定よりかからなかった。今後は出張が可能になると考えられるのでそちらに回す予定。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] UG-Compliance and Regularities of Non-Standard ‘Sloppy’ Constructions: Pre-Determiner Degree Noun Phrases in English2022

    • 著者名/発表者名
      Takeru Suzuki
    • 雑誌名

      Bulletin of Tokyo Gakugei University, Humanities and Social Sciences I

      巻: 73 ページ: 180-188

    • オープンアクセス

URL: 

公開日: 2022-12-28  

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