研究課題/領域番号 |
21K00600
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
高橋 美奈子 琉球大学, 教育学部, 准教授 (60336352)
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研究分担者 |
北上田 源 琉球大学, 教育学部, 准教授 (00596059)
渡真利 聖子 琉球大学, グローバル教育支援機構, 講師 (20700305)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 日本語指導が必要な児童生徒 / 沖縄県 / 日本語支援・指導体制 |
研究実績の概要 |
本研究は、沖縄県固有の実情に基づいた新たな日本語教育支援・指導体制の構築を目的とした探索的研究である。令和3年度は、日本語教育支援・指導体制にかかわる沖縄県固有の課題とニーズの解明をすべく、(1)パイロット校・自治体の選定、(2)先駆的な取組みを実施している自治体(教育委員会)・学校への視察を計画していた。 結果として、沖縄県内のいくつかの自治体でのヒアリングを踏まえ、パイロット自治体には北谷町を選定し(パイロット校は自治体内のA小学校)、令和3年度は北谷町の日本語指導教室担当者会で教育委員会関係者ならびに日本語指導担当者らと協議を行った。また、先駆的な取組みを実施している自治体として愛知県豊橋市教育委員会ならびに岐阜県可児市教育委員会にヒアリング(オンライン)を行った。しかし、コロナ禍でのまん延防止ならびに行動自粛制限等の発令により、予定していた他自治体の県外視察は令和4年度に繰り越すこととし、令和3年度には次年度予定していたパイロット自治体での指導体制にかかわる実態調査を行った。 調査結果は刊行した論文に詳しいが、北谷町内のすべての公立小中学校の学級担任を対象に、学級内の外国につながる児童生徒ならびに彼らの学級参加と日本語力を調査したところ、当自治体における外国につながりのある児童生徒、日本語指導が必要な児童生徒、実際に何らかの支援を受けている児童生徒、無支援状態の児童生徒の実態と課題等が明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、令和3年度は(1)パイロット校・自治体の選定と(2)いくつかの先駆的な取組みを実施している自治体(教育委員会)の視察を行うことができた。しかし、研究計画でも想定していた通り、コロナ禍の影響により、当初予定していたすべての県外自治体の視察を行うことができなかったため、令和4年度に予定していた自治体内のすべての学校を対象とした実態把握を先に実施した。調査結果をとりまとめ、論文として刊行できたので、おおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、先駆的な体制づくりを行っている自治体の関係機関の視察、関係者へのヒアリングを実施すべく具体的な調整をしていたが、一部、コロナ禍の影響により実施が叶わなかったので、令和4年度は、引き続き、県外自治体での視察・ヒアリングを実施する。また、県外自治体へのヒアリングにあたっては、昨年度の実績により、オンラインを通して実施することが可能であるとわかったので、感染状況によっては、オンラインでの実施を検討している。さらに、令和4年度は、令和3年度に実施した実態調査を踏まえ、具体的な日本語支援・指導体制構築にかかわるガイドライン、カリキュラム(プログラム)の試案を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本報告書の【研究実績の概要】ならびに【現在までの進捗状況】で説明したように、コロナ禍における行動制限により、令和3年度は県外出張旅費の支出がなかったため、次年度使用額が生じた。しかし、すでに各自治体とはヒアリング・視察にかかわる調整・連絡を行っているので、令和4年度に実施予定である。
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