研究課題/領域番号 |
21K00603
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研究機関 | 聖学院大学 |
研究代表者 |
作田 奈苗 聖学院大学, 人文学部, 非常勤講師 (80648014)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 多読 / ワークショップ / 協働 / 創造 / オンライン / ファシリテーション |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、多読の授業を学習者の協働や創造的な活動を引き出すワークショップと捉え、ワークショップの知見を援用して授業を分析し、教員や支援者が活用できる多読授業の方法を確立することである。このため、本研究では、日本語多読について、A.授業を記録し分析をすること、B.支援者としての参与観察をすること、C.学習者や支援者への調査を行うこと、D. 多読体験ワークショップを実施すること、E.多読読み物作りワークショップを実施すること、という5つを計画している。このうち、パンデミックの影響によって、対面での活動は滞っているが、以下の通り、オンラインでできる範囲で計画通りに実施している。 A.授業の記録と分析:オンライン形式のものに限定されるが、日々の日本語多読授業の実践を記録し、データの蓄積を続けている。 B.支援者としての参与観察:担当する複数の授業で日本語多読を実施し、また、オンラインによるクラブの形式で日本語多読の場を設け、継続して実施中である。特にオンラインでの多読クラブの活動は、協力者とともに、プログラムのあり方、ファシリテーションのあり方について試行錯誤を重ね、研究会で状況を発表した。 C.学習者や支援者への調査:オンラインでの多読授業実施に関して国内外の支援者に聞き取り調査を行い、状況を論文にまとめることができた。この成果は、オンラインで多読授業を行う支援者の情報共有を促進し、これから多読授業を始める支援者にとっても有用なものとなり得るであろう。 D. 多読体験ワークショップの実施 E.多読読み物作りワークショップの実施:小規模なワークショップやプロジェクトを複数実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
オンラインでの活動は期待以上に進めることができたと考えている。オンラインでの日本語多読の授業を様々な現場で実施することができ、多様な日本語学習者の多読の活動に触れることができた。また、パンデミックにより、オンラインのコミュニケーションが国際的に行われるようになったことで、国内ばかりでなく、海外の多読支援者、多読実践者(学習者)と交流できる機会が増え、情報交換や協働を活発に行うことができた。 一方で、パンデミックの影響で、対面授業の実施や取材ができなかった。そのため、当初計画していたように、ワークショップ研究のモデルを使った授業の記録を作れず、ワークショップとして多読活動を記述することは、着手できていない。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、日本語多読について、A.授業を記録し分析をすること、B.支援者としての参与観察をすること、C.学習者や支援者への調査を行うこと、D. 多読体験ワークショップを実施すること、E.多読読み物作りワークショップを実施すること、という5つを計画している。これらの計画は、オンラインでの活動に関しては順調に進んでいるが、対面での活動については停滞している。パンデミックの影響などにより、この状況は、2022年度も継続する恐れがある。2022年度には取材のため、海外への渡航も計画していたが、断念しなければならないと考えている。このため、計画を一部変更して、国内での活動、そして、オンラインの活動に、より一層、力を入れていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
主に、学会等がオンラインで実施され、旅費がまったくかからなかったことが大きい理由である。次年度に活動を繰り越して実施するものとする。
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