研究課題/領域番号 |
21K00608
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
森本 豊富 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (30230155)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 言語・文化の維持・継承 / 在米日本人・日系人 / 日本語学校 / 戦前・戦時下の北米日系人 |
研究実績の概要 |
2023年度は、8月中旬から下旬にかけてサンフランシスコの金門學園および桑港学園、サンマテオ學園において議事録などの一次史料の文献調査を、2月初旬にハワイ島ヒロのヒロ別院において90歳前後の二世を対象に戦時下のヒロの状況に関する聞き取り調査を実施した。 研究発表については、6月に日本移民学会第33回年次大会(神田外語大学)において「戦時下、在米日系人の言語・文化・価値観の維持・継承―強制収容所における日本語使用状況」との題目で本研究の目的である戦時下における日本語・日本文化の維持・継承状況について発表した。国外では、サンフランシスコのJCCCNC (Japanese American Cultural and Community Center of Northern California)において、"Japanese Language Schools in the Pre-war Period: With a Focus on Kinmon Gakuen"とのタイトルで発表を行った。 本年度は、論文や書籍の刊行には至らなかったが、2024年度に1冊、2025年度にさらに1冊の刊行を目指し、両者とも出版社が決まり執筆活動を進めている。また、これらに加えて、Handbook of Language Policies in East Asia (Brill社)から出版予定の編著書に"Language Maintenance and Change among Japanese Americans"とのタイトルで1章執筆し、現在、peer review中である。また、JCCCNCで発表した内容が、スタンフォード大学フーバー研究所の協力により、Digital Storyとしてオンラインで一般公開される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
海外調査を年度内に2度行ったことにより、北米西海岸およびハワイにおける在米日本人の言語・文化維持・継承、特に戦前から戦中にかけての調査を実施することができた。ただし、米本土内陸部の戦時下における言語・文化維持・継承状況については調査は及ばなかった。 発表については、サンフランシスコのJCCCNCにおいてPublic Talkとして研究の進捗状況報告をかねて現地のコミュニティを対象とした成果報告を行うことができた。発表内容については、スタンフォード大学フーバー研究所の協力によってDigital Storyとして近々オンラインで公開される予定である。また、日本移民学会での年次大会では、北米の仮収容所・強制収容所(転住所)における言語・文化維持・継承に関して一次史料をもとに発表し質疑応答から課題もみつかった。 執筆については、英文による校正中のチャプターが今年度中には出版される予定であり、和文についても本年度中の出版を目指して、鋭意、執筆を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度が最終年度となる予定であることから、北米西海岸およびハワイ、可能であれば内陸部において現地調査は最終段階としたいと考えている。成果発表としては、2024年6月に同志社大学・烏丸キャンパスで開催予定の日本移民学会第34回年次大会ラウンドテーブル「日系コミュニティ・アーカイブスとつくるパブリック・ヒューマニティーズ:日米史料館の横浜正金銀行関連資料を中心に」において、「戦前期における日系教育施設の役割:サンフランシスコ・金門學園を中心に」とのタイトルで発表する予定であり、発表では2023年8月に金門學園で入手した「金門學園園報」を手がかりに、現地日系コミュニティと日本語学校との関係性について分析・考察した結果を報告したい。また、9月上旬にサンフランシスコのJCCCNCにおいても共同プロジェクトの進捗状況報告を行うことになっている。 執筆については、Handbook of Language Policies in East Asia (Brill社)から出版予定の編著書の1章としてまとめた"Language Maintenance and Change among Japanese Americans"の校正を進める。また、1999年から継続的に実施してきた在米二世・帰米二世を対象に実施した聞き取り調査をまとめた単著を刊行するために執筆活動を続けていきたい。さらに本科研調査および在米日本人の言語・文化維持・継承に関する研究の集大成として、研究成果公開促進費へ応募し、2025年度後半に出版するために準備を鋭意進めていく予定である。
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