本研究では言語少数派の子どもに対する国語の教科学習支援に、移民第二世代の若者が支援者として参画することの可能性を、かれらの教授行動に注目して検討した。分析の結果、第二世代の若者が主体的に進める「母語による学習」では、授業展開の各過程で自立的な教授行動が確認された。沈黙や誤答に対しては手がかりや身近な具体例を示すことで生徒が自力で正答にたどり着けるよう導き、正答の場合でも日本の中学校で学校生活を送った経験や共通の母文化・母国での学習経験をもつ強みを活かして理解の徹底を図った。一方、日本語支援者が進める「日本語による学習」場面でも、生徒の反応や状況を見ながら自らの判断で支援に関与した。
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