研究課題/領域番号 |
21K00619
|
研究機関 | 鹿児島県立短期大学 |
研究代表者 |
楊 虹 鹿児島県立短期大学, その他部局等【文学科】, 教授 (20571607)
|
研究分担者 |
倉田 芳弥 拓殖大学, 政経学部, 准教授 (40885589)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | SNSチャット / 日中対照 / マルチモーダル分析 |
研究実績の概要 |
本研究は、SNSチャットのマルチモーダル分析を通して、日本語及び日本語使用の日中接触場面のSNSチャットのフレームの解明を目的とした研究である。 実際に行われたSNSの自然会話を、多様な話題を網羅するよう3か月分収集し、会話を大きく、目的のある会話(依頼、予定合わせ、学校行事関係関係など)と目的の無い雑談に分けて、それぞれどのようなモードの選択が行われるか、また複数モードの組み合わせや切り替えの特徴を質的に分析し、パターン化して統計的な処理を行い、全体の傾向を明らかにする。初年度では、パイロット分析として、日本語母語場面と中国語母語場面の目的のある会話(食事会の計画と予定合わせ)を比較した。分析の結果、日本語母語場面では、会話の目的とは関係のない雑談のやり取りが多く見られ、話題転換部にスタンプの使用が多くみられた。文字チャットとスタンプというモードの切り替えは話題転換のストラテジーとして用いられることがわかった。それに対し、中国語母語場面では、会話の目的に沿ったやり取りに集中し、雑談はほとんど見られず、話題転換が少なく、モードの切り替えもほとんど見られなかった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
初年度において、SNSチャットというメディアの特徴を論じた先行研究の精査、自らのSNSチャットについてこれまで行ってきた研究の見直し作業を行いつつ、データ収集の計画を立て、実行に移した。しかし、コロナ禍において、入国する予定の中国人留学生が入国できず、データ協力者が集まらない状況が続いている。同じ理由で、中国に滞在する日本人留学生も激減し、友人同士の接触場面のデータは、日本国内同様、中国国内でも集まらない状況にある。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、データ協力者の確保に励むとともに、データ収集の計画を見直し、集まりやすい収集方法を模索する。現時点では、以下の方策を検討している。 (1)友人同士だけでなく、グループでのチャットも対象とするか。 (2)頻度のやや低いやり取りも対象とするか。 (3)他大学の研究者ネットワークを活用し、より広範囲でデータの協力者を募る。
|
次年度使用額が生じた理由 |
初年度のデータ収集の進捗が遅れたため、助成金の支払いが次年度にずれ込むことになりました。データ収集の計画を見直し、初年度の母語場面と2年目の接触場面のデータ収集を滞りなく進めていきます。
|