研究課題/領域番号 |
21K00620
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
本田 ゆかり 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 研究員 (00817413)
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研究分担者 |
投野 由紀夫 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10211393)
野口 芙美 東京福祉大学, 教育学部, 講師 (60844404)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 日本語教育 / 語彙リスト / JFスタンダード / 日本語教科書 / コーパス |
研究実績の概要 |
令和3年度は、計画に沿ってJFスタンダードのCan-doディスクリプタの項目分析を行った。項目分析では、JFスタンダードのCan-doそれぞれの具体/抽象度から、項目同士の上下関係や抱合関係を調査した。そして調査の結果、JFスタンダードのCan-do項目はCEFRやCEFR-J等の他の能力記述文と比較すると、提示する場面や機能や話題が極めて具体的、限定的で粒度が非常に細かく、タスク的なCan-do記述であることが明らかになった。
この調査を踏まえて、現在はJFスタンダードのCan-do項目に語彙や表現を紐づける前の作業として、CEFR-Jなどを参考にJFスタンダードCan-doの抽象度を上げた項目の再記述を行っている。本研究で作成する語彙と表現のリストは、この抽象度を上げたCan-doに紐づく形のリストとする計画である。
また令和3年度は、本研究で使用する初級日本語教科書の会話文データベースを構築した。このデータベースと、対応するCan-do項目のデータを統合する。データの統合は自動で行った後、人手による確認と修正を施し、表現リストの元データとする。初級日本語教科書は、現在、使用する学習者が多いと見込まれる4種類の教科書で『みんなの日本語初級1、2』(第二版、スリーエーネットワーク)『初級日本語げんき1、2』(第三版、ジャパンタイムズ)『できる日本語初級、初中級』(アルク)、『まるごと日本のことばと文化 入門(A1)、初級1(A2)、初級2(A2)』(三修社)を対象とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度に計画していた作業(Candoディスクリプタ分析、Webツール開発)は予定通り終了した。日本語教科書コーパスの構築も追加作業として必要となったが、年度内に完了した。
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今後の研究の推進方策 |
Can-do項目の分析と日本語教科書データの収集を行っていくなかで、本研究の調査範囲を本研究の計画当初A1~B1と設定していたところを、A1~A2に変更した。中級レベル以上の日本語教科書は初級レベルの日本語教科書と内容的に異なる傾向があるため、対象とする教科書は慎重に選定を行う必要があり、教科書の分析に時間がかかる。三年間で本研究を完了させるため、今回は範囲を狭めて、成果物の完成度を高めることに注力する方針である。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費・謝金が当初の見込みよりも少なく済んだため。次年度の人件費に使用する計画です。
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