研究課題/領域番号 |
21K00622
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
佐藤 綾 福井大学, 語学センター, 准教授 (70578103)
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研究分担者 |
高木 裕子 実践女子大学, 人間社会学部, 教授 (80241165)
片野 洋平 長岡技術科学大学, 工学研究科, 講師 (40809315)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 日本語教師 / ライフキャリア / キャリア形成 / 複線経路等至性アプローチ / キャリア形成支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ライフキャリアの視点から日本語教師のキャリア形成はどのようなものであるのかを明らかにし、そのキャリア形成を支援する方法を考え出すための基礎資料を作ることである。そのために、①コーディネーター職にある日本語教師、②コーディネーター職にない日本語教師、③日本語教師を辞めた元日本語教師の3つの属性の者(各9±2名)を対象としてインタビュー調査を行い、そこで得られた発話データをTEA(Trajectory Equifinality Approach: 複線経路等至性アプローチ)を用いて分析することにより、キャリア形成の類型化を行うとともにキャリアの選択に影響を与える要因を明らかにすることとした。 初年度である2021年度は、①のみを対象として調査を行う予定であったが、②との比較検討をすることにより、それぞれの特徴が見えやすくなると考え、②についても調査を開始した。結果として、2021年度は、①については4名、②については2名に対して調査を行った。また、その分析に先立ち、TEAに関する先行研究に数多く当たるとともに研究会に参加して知見を得たり、本研究開始以前に行っていたインタビューの発話データについてTEAによる詳細な分析を行うことによって、分析にあたっての基準設定および方法論の確認を行った。 これらの研究活動の成果として、日本語教師のキャリア形成の類型化にあたっての、ある程度の傾向や方向性が見出せた。それにより、2年目以降の分析の精緻化が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の分析で用いるTEA(複線経路等至性アプローチ)に対する正確な理解と方法論の確立のために多くの時間を費やしたこと、及び当初想定していた研究計画の再検討により、実施したインタビュー調査の分析が遅れることとなった。また、それに伴い、予定していた調査対象者数(9±2名)にやや及ばなかった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の2年目である令和4年度は、①コーディネーター職にある日本語教師、②コーディネーター職にない日本語教師に対するインタビュー調査を進めるとともに、①のキャリア形成の類型化を完成させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍の影響により、対面での打ち合わせ、調査、学会参加のための旅費に係る支出がなかったため次年度への繰越が生じた。今年度は昨年度より移動の制限が緩やかになっているため、各地の感染状況などを見ながら、対面による打ち合わせや調査を開始していく予定である。
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