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2023 年度 実施状況報告書

多様な言語文化背景をもつ子どもたちの教科学習支援方法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 21K00623
研究機関名古屋大学

研究代表者

鷲見 幸美  名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (50340211)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
キーワード多様な言語文化背景をもつ子ども / 小学校教科書 / 教科学習 / 概念メタファー / メタファー表現 / 身体基盤 / 経験基盤
研究実績の概要

本研究の目的は、「多様な言語文化背景をもつ子どもたち」の日本語力養成と語彙力養成を通した思考力養成を可能にする教科学習支援の方法を考案することである。小学校で使用される教科書に現れる「メタファー表現」とその背後にある「概念メタファー」のリストを教師・支援者に活用できるものにする発展的課題であり、「既有の知識構造」の借用による「有意味学習」を理想的な状態として想定し、子どもたちに「既存の知識」の活用を促すような支援方法を提案することを目指している。
本研究は、「教科書の概念メタファーとメタファー表現」のリスト化が完了していることを想定し、その発展的課題として計画したものであり、「教科書のメタファー表現リストの精緻化と分析」を最初に着手すべき課題としていたが、「教科書の概念メタファーとメタファー表現」のリスト化の遅れにより、本研究にも遅れが生じている。そのため、昨年度同様に、同課題と並行して、メタファー間の関係の分析、子どもの比喩理解、思考過程を分析する先行研究の整理と検討、「既存知識の活用を促す支援方法」としての「メタファーの基盤を子どもにわかりやすく想起させ、それによりメタファー表現の意味推測・理解を促す方法」について検討した。特に、教科共通のメタファー、起点領域が同じで教科によって目標領域の異なるメタファーの存在に着目し、支援に生かせるような提示の方法を考案することに重点を置いて研究を進め、成果の一部を発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本研究遂行のための基礎的研究「教科書の概念メタファーとメタファー表現」のリスト化が完了に至っていなかったため、それに伴って遅れが生じている。

今後の研究の推進方策

引き続き、メタファーの教科間の比較を進め、教科共通のメタファー、各教科に特徴的なメタファーという観点から、リストの分析を進め、その提示方法を検討する。並行して、中国語話者、ベトナム語話者の意見聴取を行い、中国語話者、ベトナム語話者にとって必要な支援方法の考案を進展させる。

次年度使用額が生じた理由

予定通りに研究が進まなかったため、意見聴取の際に使用するタブレットを購入しなかったため。また、国際学会参加の旅費が発生しなかったため。両費用に充てて使用する計画である。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 小学校社会科教科書における容器のメタファーー多様な言語文化背景をもつ子どもたちの教科学習支援に向けて-2024

    • 著者名/発表者名
      鷲見幸美・松浦光
    • 雑誌名

      名古屋大学人文学研究論集

      巻: 7 ページ: 47-67

  • [雑誌論文] WEB版小学校教科書語彙リストの公開-学習支援での活用に向けて-2024

    • 著者名/発表者名
      山本裕子・川村よし子・鷲見幸美
    • 雑誌名

      日本語教育方法研究会誌

      巻: 30 巻 ( 2 ) ページ: 110 - 111

  • [雑誌論文] 「事象構造メタファーにおける「流れ」と評価性―社会的活動の概念化を中心に―」2023

    • 著者名/発表者名
      松浦光
    • 雑誌名

      認知言語学論考

      巻: 17 ページ: 89-115

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「XよりもX」構文の認知的基盤―<体験>に基づく評価の比較―2023

    • 著者名/発表者名
      松浦光、梶原彩子、菊地礼
    • 雑誌名

      日本認知言語学会論文集

      巻: 23 ページ: 182-193

    • 査読あり
  • [学会発表] 小学校教科書における「まとめる」の意味をめぐって2024

    • 著者名/発表者名
      鷲見幸美
    • 学会等名
      第9回日韓学術交流会
    • 国際学会
  • [学会発表] 動詞「まとめる」の多義構造2024

    • 著者名/発表者名
      鷲見幸美
    • 学会等名
      東アジア日本学研究国際シンポジウム
    • 国際学会
  • [学会発表] 日常生活において見えない物理的事象をどう捉えるか?ー小学校理科教科書から見えてくるもの-2024

    • 著者名/発表者名
      鷲見幸美, 松浦光
    • 学会等名
      第5回上海財経大学・名古屋大学合同研究会
    • 国際学会
  • [学会発表] 小学校理科教科書における容器のメタファー2024

    • 著者名/発表者名
      鷲見幸美, 松浦光
    • 学会等名
      第8回上海師範大学・名古屋大学言語文化学術交流会
    • 国際学会
  • [学会発表] WEB版小学校教科書語彙リストの公開-学習支援での活用に向けて-2024

    • 著者名/発表者名
      山本裕子, 川村よし子, 鷲見幸美
    • 学会等名
      日本語教育方法研究会第62回研究会
  • [学会発表] 小学校教科書に潜在する抽象的事柄の捉え方-応用認知言語学からの教科学習支援-2024

    • 著者名/発表者名
      鷲見幸美, 松浦光
    • 学会等名
      日本語教育国際研究大会2024
    • 国際学会
  • [学会発表] 小学校教科書で用いられている単語と複合語の抽出-小学校教科書語彙リストの公開に向けて-2023

    • 著者名/発表者名
      山本裕子, 川村よし子, 鷲見幸美
    • 学会等名
      日本語教育学会2023年度春季大会
  • [学会発表] メタファーの修辞的効果を記述する: 『日本語レトリックコーパス』の展開2023

    • 著者名/発表者名
      小松原哲太、平川裕己、菊地礼、松浦光、佐藤雅也、田丸歩実
    • 学会等名
      日本語用論学会メタファー研究会「メタファーとコーパス」
  • [図書] 直喩とは何か: 理論検証と実例分析2023

    • 著者名/発表者名
      稲益佐知子, 菊地礼, 長沼英二, 半沢幹一, 松浦光, 三田寛真
    • 総ページ数
      300
    • 出版者
      ひつじ書房
    • ISBN
      978-4-8234-1190-8

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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