研究課題/領域番号 |
21K00637
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
脇田 里子 同志社大学, グローバル・コミュニケーション学部, 教授 (20251978)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 電子書籍 / 読書術 / オーディオブック / 協同学習 |
研究実績の概要 |
研究実績は二つある。一つは学部2年次の留学生を対象にした大学図書館の電子書籍を利用した読書リテラシーの実践を論文に著した。もう一つは、学部留学生を対象にしたオーディオブック読書実践についての口頭発表である。 前者の論文は、『日本語プロフィシェンシー研究』第11号に掲載された「大学図書館電子書籍による読書リテラシー実践―Maruzen eBook Library を利用した協同学習―」である。学部留学生2年次の日本語コミュニケーションの専門科目において、専門書読書を円滑に進めることを目的にした大学図書館の電子書籍の読書活動を行った。授業は教科書を使った講義の他に、電子書籍読書による協同学習 (LTD:話し合い学習法) を実施した。その方法は、授業のテーマに関連する複数の電子書籍の中からピアグループごとに関心のある1冊を選定し、毎回の授業において約30分の協同学習を行うものである。約1か月かけて1冊の本を読み合った後、グループごとに授業の中でブックトークを行った。アンケート調査の結果、専門書の読書を促す要因として、協同学習と読書技術が挙げられた。 後者は、第7回「未来志向の日本語教育」で発表した「学部留学生を対象にしたオーディオブック読書の試験的導入」である。学部留学生11名はAmazon 社の「Audible」を2ヶ月間定期購読し、自由に本を聞いた。学習者に対するアンケート調査や記録シートから、次のことがわかった。学習者の82%はこれまでにオーディオブックを聴いたことがなかった。週に平均90分の聴く読書が行われ、学習者の自己評価では日本語能力の向上など肯定的な評価が多く見られた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度はドイツにて在外研究の機会を得、そちらの研究を優先して行った。そのため、2023年度の読書教育プログラムモデルの開発に関する研究はあまり実施できなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
2024年度は2023年度の研究計画に取り組み、1年間、この科研を延期したい。2025年度に2024年度の研究計画を実施する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2023年度はドイツにて1年間の在外研究の機会を得、在外研究の研究を中心に行ったため、あまり予算を使用せず、次年度への繰り越しが生じた。この科研費による研究は1年間延長し、2025年度まで実施したいと考えている。 2024年度は2023年度に実施予定であった読書教育プログラムモデルの開発を行い、国際会議や国内学会などで研究成果の発表に予算を使用する。 2025年度は2024年度に実施手予定であったプログラムモデルの評価を行い、報告書を発行する。予算は国際会議や国内会議での発表、報告書の作成に使用する予定である。
|