研究課題/領域番号 |
21K00652
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
東矢 光代 琉球大学, 国際地域創造学部, 教授 (00295289)
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研究分担者 |
大城 賢 琉球大学, 教育学部, 客員教授 (80280303)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 英語科教育 / 外国語活動 / 教員研修 / オンデマンド / 動機付け / 英語教師教育 |
研究実績の概要 |
令和3年度は沖縄県宮古島市の教育事務所の協力を得て、小学校外国語活動・英語科教育に関わる教員を対象に、現場のニーズに合わせた授業力向上のための、オンデマンドのビデオ教材(1回15~20分、11回シリーズで完結)の配信を行った。研修講座においては、開始前と中間、終了後にZoomによるリアルタイム型の交流と意見聴取の機会を設け、任意参加による研修の持続性を目指した。ビデオ内容は新学習指導要領の理解を深めるとともに、小学校での実践に特化することを目標に、視聴した教員の意見を取り入れた結果、当初想定していたテーマよりも、さらに実践的、基本的な内容へと修正を行った。 毎回の配信(ビデオ視聴)後には、Google Formsを用いて、学習内容の理解、役に立ったかなど簡単なアンケートを行うとともに、研修終了後にはまとめのアンケートを行った(回答数は受講者28名中7名)。これらと視聴の状況から、(1)85.8%の回答者が11本中8本以上の動画を視聴し、(2)全体的な動画の内容についての4段階評価で「とてもよかった」が71.4%、「まあよかった」が28.6%(合わせて100%)と回答した。しかし(3)同様のセミナーに次回参加したいか、に関しては、「ぜひ参加したい」「どちらともいえない」がそれぞれ14.3%で、71.4%が「できれば参加したい(気持ちを数値化すると6~7割)」と回答し、忙しい中で任意の講習を受け続けるモチベーションをどう喚起するかの課題が改めて浮き彫りとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実際に現場の協力を得て、対象となる先生方に研修動画を作成して配信できたことで、一定の成果を上げた。また現職教員とのやり取りと、動画作成を行う中で、ニーズの把握や課題への理解が深まった。研究実施1年目ということで、当初思い描いていたよりも、教員のニーズと行動が乖離する傾向も見えたことで、次への大きな足掛かりを得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度の実施状況で得た知見を活かし、令和4年度は小学校での研修・研究継続実施と、中学校での研修・研究を開始する。研究期間中の国際学会や国際誌での成果発表を見据え、研究倫理委員会審査を進めるとともに、より現場の理解と協力が得られるよう、本事業の宣伝を行っていきたい。多忙な教員が参加したい、継続できる研修に向けてさらに内容と、形式の精査を行い、参加者数の向上を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
研修動画の作成にあたり、効果と効率の向上を念頭に、機材・ソフトの購入や外部委託を計画していたが、令和3年度は研究者が作成できる範囲で、手持ちのリソースを活用して作成と配信を行ったため、当初の計画より予算執行が少なかった。次年度は研修の範囲を中学校、高校へと拡大するため、内容が定まれば作成の外部委託も視野に入れる。また、研修内容についてより実践的なものが好まれることを確認したことから、研修対象者の学校で使われている教科書、指導書、補助教材も購入の上、より実践的な内容を提供できるようにしたい。結果公表に関しても、より積極的に学会での口頭発表、学会誌への投稿を行うために予算を執行したい。
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