研究実績の概要 |
これまで奈良県立国際高校のカリキュラムにおける学習成果として、各言語能力に関する自己評価、自身の言語レパートリーや言語そのもの、また言語学習に関する意識を測定、発表してきた。本研究の当初の学術的問い「複言語教育が学習者の言語意識(メタ言語的認識、複言語能力の意識化、多様性への開かれた態度)および各言語の社会言語能力や運用能力にどのような影響を与えるのか」に関わって、その答えが明らかになりつつある。 本年度は、複言語能力に加え、複文化能力の伸長を目指す授業の構想、実施およびカリキュラム内の「言語への目覚め」活動のためのさらなる教材開発に焦点をあて、大学院生や他大学の研究者とともに、教材開発や授業実践を共に行い、その成果を7月にデンマークで開催されたEDiLiC国際大会で発表を行った。 ・Developing Intercultural Competence of Secondary School Students in Plurilingual Education (YOSHIMURA, Masahito and OTTOSON, Kevin) ・The Practice of Plurilingual, Pluricultural, and Language Awareness Education in a Japanese Elementary School: Results of the Implementation of Plurilingual Lessons for One Semester (TAKEUCHI, Nicole and YOSHIMURA, Masahito) 最終年度である次年度は、対象高校の3年間の成果について、事例的に一人の生徒を取り上げながら、このカリキュラムが学習者に与える言語運用能力・言語意識への影響を明らかにする予定である。
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