研究課題/領域番号 |
21K00686
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
高橋 留美 昭和大学, 教養部, 教授 (60259190)
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研究分担者 |
吉川 裕介 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (00746753)
天野 弘美 昭和大学, 教養部, 講師 (30407390)
小倉 浩 昭和大学, 教養部, 教授 (40214100)
高橋 寛 昭和大学, 教養部, 准教授 (50306990)
大野 真機 昭和大学, 教養部, 講師 (50569465)
近藤 雅人 昭和大学, 教養部, 講師 (60307064)
須田 拓基 昭和大学, 教養部, 講師 (60875475)
前田 昌子 昭和大学, 教養部, 准教授 (90433797)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 英語教育 / 語彙学習 / コーパス / トピックモデル / 潜在的ディリクレ配分法 |
研究実績の概要 |
今年度は歯学系英語専門語彙リストを作成するために、コーパスから語彙を選定する際の手法としてトピックモデルが有効であるかを検証するために、英文学術誌の原著論文から作成した英文コーパスに、トピックモデルの手法の一つである潜在的ディリクレ配分法 (Latent Dirichlet Allocation; LDA)を適用するパイロットスタディを行った。これによって得られた意味的に関連性の高いと見なされた語彙グループに、歯科医師がその妥当性を判断したトピック名を付した。その結果、すべての語彙グループに歯科臨床領域ないしは研究領域に関連するトピック名が付された。また、LDAで処理すると、学習者の学習利便性を満たす数の語彙グループが得られることが、統計的に証明できた。以上から、LDAが歯科領域における専門用語をコーパスから抽出し、それらの語彙を意味的に関連性のある語彙グループに分類する手法として有効であることを検証することができた。今後、この成果をもとに歯学系専門語彙リストを作成するための作業に本格的に入る予定である。 この成果は、2021年12月19日に、日本英語表現学会第50回全国大会(オンライン大会)にて口頭発表した(発表タイトル:「トピックモデルによる歯学専門用語リストの作成」)。また、この発表の概要は、日本英語表現学会発行の Bulletin・英語表現研究 (第77号) ISSN0910-4704 に発表した。 さらに、この研究成果は論文にまとめ、昭和大学学士会雑誌 THE SHOWA UNIVERSITY JOURNAL OF MEDICAL SCIENCES(和文誌)に応募しており、査読を経て、現在は修正原稿を編集部に提出したところである(論文タイトル:歯学系専門語彙リスト作成におけるトピックモデルの有効性の検証)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
過去に作成した小規模なコーパスを用いて、今年度行う予定であったLDAの有効性の検証を行うことができた一方、昨年度完成する予定であった、本格的に専門語彙リストを作成するために使用する、より規模の大きいコーパスの作成が遅れている。これは筆者らが勤務している大学のカリキュラム改革の時期と昨年度が重なったために、校務の方にやや比重を置かざるを得ず、このプロジェクトにかけられる時間が限られていたためである。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、国際的に広く読まれている代表的な歯学専門ジャーナル2誌 (Journal of Dental Research,Journal of Dentistry) に過去5年間に掲載されたresearch articles のアブスと、歯学分野の基礎文献をテキストファイル化し、高度な専門語彙だけでなく、基礎的な専門語彙も含まれた英文書コーパスをまず完成する。 次に、昨年度行ったパイロットスタディで検証された手法で歯科専門語彙群の抽出を行い、各語彙群にトピック名を、専門家の助言を得ながら付していく。さらにそれらの語彙群に含まれていない重要語を、歯科領域の専門家の判断を参考にしながら補い、約1千語の語彙リストを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は大規模コーパス作成に必要なスキャナー及びワークステーションの購入を行わなかった。また、コーパス作成のための参考文献の購入も行わなかった。令和4年度には、これらの機器及び文献の購入を行い、コーパス作成作業を本格的に行う予定である。
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