研究課題/領域番号 |
21K00694
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
坂本 南美 岡山理科大学, 教育学部, 准教授 (40804810)
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研究分担者 |
今井 裕之 関西大学, 外国語学部, 教授 (80247759)
寺西 雅之 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (90321497)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 教師のナラティブ / 外国語教育 / ALT / JTE / 協同的ナラティブ / ティーム・ティーチング |
研究実績の概要 |
本研究の実施1年目の実績成果は、以下の2点にまとめられる。 1)英語科ティーム・ティーチング授業観察及びJTE・ALTへのインタビュー実施・分析 日本国内の中学校・高等学校4校にて、英語科ティーム・ティーチング授業を参観し、授業の内容を基にAssistant Language Teacher (ALT)、Japanese Teacher of English (JTE)、研究代表者の3者によるインタビューを実施した。インフォームドコンセントの後、授業・インタビューは録画し、インタビューについては録音も行った。インタビューの内容は、観察した授業に関するものだけでなく普段の授業における取り組み、教師としての信念、英語教育の目標等、外国語教育実践全般に関わる内容に焦点を当て、ALT・JTE間の意見交流も含めて、それぞれ45分~65分のインタビューを実施した。授業記録・インタビューの結果は、社会文化的視点、文体論の視点から随時分析を進めている。 2) ALTのナラティブ研究成果の発信 日本の中学校・高等学校に勤めるALTへのインタビューを分析し、社会文化的視座からその成長の過程を書籍にまとめた。そこでは、アメリカ、カナダ、ニュージーランドから来日したALTの語りの分析から、彼らが日本の教育現場で教壇に立つ中で、自らのアイデンティティを変容させ、ALTとして成長する過程を辿った。また、彼らが言語教師として成長する中で重要な役割を果たしていた要素として、3つの気づき(cognitive awareness, emotional awareness, collegial awareness)を概念相関図を用いて説明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた国内の中学校・高等学校での授業観察およびALT・JTEへのインタビューの多くが計画通りに進んだことで、当初の計画に沿って分析を進めることができており、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、授業観察・インタビュー・研究大会での発表をおおむね計画に沿って進めることができた。今後は、(1)異なる文脈でのティーム・ティーチング授業の授業観察およびインタビューを実施して分析を進めるとともに、(2)研究大会等を通した研究成果の公開や(3)教育現場での英語教員研修にて新たな授業研究アプローチの共有を目指し、(4)運営しているナラティブ研究に関するウェブサイトを活用してALT・JTEの語りにおける研究成果の発信を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度は、新型コロナウィルス感染症の影響により、発表を予定していた学会の研究大会がオンラインによる開催となったこと、また蔓延防止対策措置期間中は研究協力校(中学校・高等学校)への訪問を控えていたことにより、次年度への繰り越しが生じた。次年度では、延期となった授業参観・インタビューの計画を練り直して取り組むとともに、新たな場での研究成果の発表を実施していく。
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