研究課題/領域番号 |
21K00697
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研究機関 | 福岡女子短期大学 |
研究代表者 |
樋口 和美 福岡女子短期大学, その他部局等, 准教授 (90866493)
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研究分担者 |
松久 公嗣 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (00380379)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 環境 / スタートアップの研究 / アートと外国語学習 / ヘッドスタート / 幼児・児童 |
研究実績の概要 |
初年度である2021年度は、環境に関わる研究の先進校及び先進園の視察を含めて研究を推進するための基盤づくり、および協力校における実情に応じた活動実践の試行の一部を行った。研究分担者の協力と助言により、イタリアのレッジョエミリア教育理念の推進園において定期的な実践事例の確認やアート企画の環境の提案などを行った。本研究の分担者:松久は協力園に効果的な環境づくりを提案し、また研究推進のための効果的な教材を選定し提供している。 教育現場の状況調査を含め教室の中の環境についても現場の研究協力者に聞き取りを行い、考察している。成長過程において素材経験や美的な材料や空間との経験値の分析を協力各校、各園における研究協力者達6名と行った。 教科書をはじめ副教材・関連図書などの収集・分析も同時に進めている。 尚、公立の小学校において環境による実践を行い、効果を検証し2021年9月大学美術教育学会山形大会において研究発表を行い公表した。その後クラス担任の協力により、観察及び児童らの聞き取り調査の結果が集約できた事により、児童らの環境や外国語学習における意識とその教育的効果の分析結果を執筆し掲載している。「子どもの学びのスタートを支える環境つくり―異文化交流・外国語活動のヘッドスタートの研究―」『福岡女子短期大学紀要』第87号(2022年2月発行 pp.83-93)。 本年度は現地視察による資料収集ができなかったが、レッジョエミリア市の教育者とのZoomミーティングによる研究交流を実施することができた。同市の初等教育機関による第2外国語(英語)の授業の実際、教科書選定の基準など詳しく取材する事が出来た。特にイタリアにおける英語の授業の初年度の取り組みの教育的な手法は今後の本研究実践において指針となり効果が期待できる。この結果をふまえて協力校及び協力園における環境設定の準備を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究初年度は複数の小学校における環境設定の効果を検証する予定であった。2021年9月には熊本県の小学校の協力を得て素材による児童が興味関心をもつ環境設定を提案することができた。2021年末には全国的にも落ち着きを見せていたコロナ禍であるが、2022年に入ってから新型コロナウィルス感染症オミクロン株の蔓延により本年度2月に予定していた協力校のうち1校である福岡市内の小学校での検証授業が同市の教育委員会の指示を受けて中止になり、2022年度以降に延期せざるを得なくなった。それに伴い、児童への教育的成果を検証して後に幼児期へのアプローチの実践・検証に移る予定も延滞している。今のところ日本における新規感染者の数も高止まりしており、授業協力校及び授業担当者と香港出身のアートプロジェクトの専門家との企画は計画段階で実施できずにいる。ただ、その後定期的な打ち合わせは継続しており、状況を考慮しながら実施できるように準備と調整を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度からは初年度の課題や検証できなかった事項の反省から、リモート授業やゲストティーチャーが遠隔地・場合によっては海外から映像により参加するなど、複数の活動計画案による実施案と代替案を用意し、協力校・協力園に提案するように心がける。現場における環境や幼児・児童らの経験値などをふまえて、協力校、協力園での環境設定による効果の検証する予定である。 コロナ禍による海外渡航条件が厳しい状況ではあるが、昨年度実施できなかった先進研究機関の視察等も日本国の指針に沿ってできるだけ実施し目的遂行を果たしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度2月に予定していた、検証のための実践が新型コロナウィルス感染症第4波の影響を受けて延期になったことによる。そのために必要な謝金や物品費、旅費の使用を次年度以降に持ち越している。2022年度については前年度に実施できなかった協力校での研究実践に加え、先進研究機関や推進園への訪問調査を実施するための通信費、旅費を使用する計画をしている。
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