研究課題/領域番号 |
21K00700
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
鈴木 渉 宮城教育大学, 大学院教育学研究科高度教職実践専攻, 教授 (60549640)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | フィードバック / 第二言語習得 / 環境要因 / 学習者要因 / 正確さ |
研究実績の概要 |
本科研の最終目的は、学習者内要因や学習者外要因がフィードバックの効果をどの程度説明できるかを解明することである。これまでの研究によれば、作文の誤りを直接訂正することは、書き直し及び新しい作文の正確さの向上に効果がある。しかし、その効果に学習者要因(例:適性、習熟度)や環境要因(例:訂正の種類、誤りの種類)がどのような影響を及ぼすのかは十分に分かっていない。そこで、令和4年度の研究では、環境要因である誤りの種類が直接訂正の効果にどのような影響を及ぼすのかを検証した。本研究は、大学で英作文の授業を受講している大学生34名に同意を得た上で、3週間行われた。大学生に、1週目は初稿を書かせ、2週目は初稿のすべての誤りに対する直接訂正を受け取った後、初稿を訂正を見ないで書き直させ、3週目は新しく作文を書かせた。32名分の初稿、書き直し、新しい作文の正確さについて統計分析(分散分析)を行った。その結果、直接訂正は、誤りの種類(仮定法過去完了、冠詞、その他)にかかわらず、書き直し及び新しい作文の正確さの向上に効果があった。 また、全国英語教育学会第47回北海道研究大会にて、「L2ラィティング学習における態度の個人差:認知モデルの提案と調査報告」という題目で、口頭発表を行った。本発表では、学習者要因である、フィードバックを受けた後の振り返りや書き直しに関する態度並びに行動の実態を、教員を志望する大学生を対象として、調査した結果を報告した。具体的には、本調査の学生は、フィードバックの種類にかかわらず、深く考えることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は、実証研究を実施できたこと、国内の学会発表を行えたこと、が挙げられる。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度は、国内の学会発表のみならず、外国語教育世界最大規模の国際学会の発表を予定している。また、研究成果を纏め、国内外の学術雑誌に投稿する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和4年度において、海外の図書や雑誌を購入する必要があったが、国内の書店より時間がかったため次年度使用額が生じた。令和5年度においては、購入時期を早める予定である。
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