研究課題/領域番号 |
21K00703
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
岡崎 浩幸 富山大学, 学術研究部教育学系, 教授 (20436801)
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研究分担者 |
加納 幹雄 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (70353381)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ALACTモデル / 若手英語教師 / 授業改善 / 省察 / 8つの問い |
研究実績の概要 |
本研究の目的は若手英語教師がALACTモデルの「8つの問い」(2010)やコルブの経験学習モデルなどを用いて省察を促し若手英語教師が授業改善を自律的に行うことができるのかを検討する。本研究ではこれらのモデルをベースにリフレクションを促し、若手教師が自らの課題(生徒の思いとのズレ)に気づき、「行為の選択肢の拡大」に至るかどうかを検討する。RQは1若手英語教師は授業後の省察で何に気づくのか。2若手英語教師はどのように授業改善に取り組んでいるのか。高校英語教師3名、中学3名の授業を参観後に、以下の質問を用いて半構造化インタビューを行い省察を促した。Q1 本授業では生徒にどのような力をつけたかったのか、何をできるようにさせたかったのか(本時の目標を確認した) Q2本授業の流れに沿って、それぞれの活動や指示は何のために行ったのか(その意義や生徒の反応などを確認した) Q3 本授業でうまくいった点、課題(生徒の思いとのズレ)と思われることと、なぜそう思うのか Q4 課題について、次回以降どのように改善するのかあるいは長期的に何に挑戦していきたいのか、である。結果として、RQ1省察によって、4名の教師が授業の課題に気づき、うち3名が子どもの姿からの課題に気づき、5名が今後何をすべきか(今後の目標)を考えるに至った。RQ2実際の解決案を考え、実行していた教師は3名であった。まとめとして、多くの若手教師が省察の機会によって課題に気づき、子どもの姿に基づき、改善案を考え、さらに長期的な目標を設定し、自律的に取り組もうとしていることが明らかとなった。よってコルブやALACTモデルに沿った質問を用いた省察は一定の効果があることがわかってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
6名の教師から研究協力を得ることができたがコロナの影響で1回のみの授業参観だったため、省察における気づきが次回の授業にどのように生かされるのかを確認できないことが多かった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は省察の際、研究者からの質問内容や確認の仕方を調整し、最低3回授業を参観し、授業者の省察を言語化して、本人の省察の流れと授業改善との関連を明らかにする。どのような省察がなされたときに、授業改善に結び付くのかを明らかにし、ALACTモデルの改良版を作成する。また授業者の省察による授業改善だけでなく、技術的知識がどの程度必要なのかも明らかする。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響で計画していた学校訪問の頻度が少なく十分なデータが集めることができなかった。よって旅費、謝金等について計画していた支出はできなかった。今後状況が許せば、 学校への訪問を実施し研究を進めたい。
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