研究実績の概要 |
データ収集による計量的調査において、小学校英語教科書7社と中学校英語教科書6社に導入されている語彙数では以下の結果が出た。小学校英語教科書で扱われている語彙数:Blue Sky elementary(BSE): 543語 Crown Jr.(CWJ): 507語、Here We Go!(HWG): 592語、New Horizon elementary(NHE): 630語、Junior Sunshine(JS): 637語、Junior Total English(JTE): 514語、One World Smiles(OWS): 621語。7社平均の取り扱い語数は578語(以下、平均値は小数点以下四捨五入)で、取り扱い語数が一番多いJSと一番少ないCWJでは130語の差がある。中学校英語教科書で扱われている語彙数:Blue Sky(BS): 1735語、Here We Go!(HWG): 2304語、New Crown(NC): 2164語、New Horizon(NH): 1,683語、One World(OW): 1773語、Sunshine(SH): 1949語。6社平均の取り扱い語数は1,935語で、取り扱い語数が一番多いNCと一番少ないNHでは481語の差がある。 一方、中学校英語教科書の本文で扱われている延べ単語数は、1年生で6社平均1,560語、2年生で3,096語、3年生で3,445語となっている。最小値と最大値の差は、1年生でHWG1: 1,046語 対 OW1: 2,088語、2年生でHWG2: 2,754語 対 OW2: 3,720語、3年生でSH3: 2,914語 対 NC3: 4,278語となっている。3年間では、BS1~3: 6,915語 対 NH1~3: 9,456語であった。今後、これらの語彙・文章の内容を分析・整理し、必要な用例を抜き出し、教員養成・研修に活かせる英語の背景知識の体系化を進める。 さらに、英語の背景知識として、外すことのできない英語文学に関して、イギリスの女流短編作家であるキャサリン・マンスフィールドの文体的特徴から、申請者がこれまでに収集した用例を使い、中学校学習指導要領にある文法項目との使い方と比較して、前置詞や接続詞のような単純な文法項目でも、使い方の工夫によって、豊かな文章表現を生み出すことを研究論文にまとめ、雑誌掲載予定である。
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