研究課題/領域番号 |
21K00722
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
辻 和成 武庫川女子大学, 文学部, 教授 (00368549)
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研究分担者 |
宇佐美 彰規 武庫川女子大学短期大学部, 英語キャリア・コミュニケーション学科, 准教授 (10648356)
田中 真由美 武庫川女子大学, 文学部, 准教授 (50469582)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 会議英語 / ESP / ビジネス英語 / プロジェクト / ジャンル分析 / テクスト分析 / 自律学習 / 語彙 |
研究実績の概要 |
経済活動のボーダレス化により様々なビジネスシーンにおいて海外とのやり取りが増加しており、企業規模にかかわらず職場における英語使用の機会が広がってきた。この様な環境下、海外展開を進める企業では、国際経営を下支えできる組織的な英語対応力をプロアクティブに整備する必要性が高まっている。研究代表者は現場のニーズを反映した合理的なビジネス英語教育モデルの構築を目指しており、先行する2件の基盤研究(C)では、製造業を対象にWebアンケートによる定量調査とインタビューによる定性調査を実施し、部門ごとの英語使用の実態と英語研修で対象とするジャンルの優先順位を明確にした。それらの研究成果と大学・企業におけるビジネス英語教育の実践を踏まえ、今回の基盤研究では、プロジェクト(利益を目的として営む経済活動)を基軸に、グローバル経営を推進する企業ニーズを反映したビジネス英語教育モデルの開発研究を進めている。具体的には、本研究事業では製造会社の「社内プロジェクト会議」をディスコースコミュニティ(discourse community: DC)と捉え、汎用性が高く実用的なビジネス英語教育をEnglish for Specific Purposes(ESP)の視点で明らかにし、その教育内容を系統立てモジュール化した会議英語モデル(教材と自律学習)の構築を目指している。本研究を推進するにあたり、条件に合致した協力企業を確保するため、兵庫工業会(公益社団法人)の協力、そして、研究代表のコネクションを活用しながら10社ほどの企業にアプローチし説明会を実施した。その内2社から本研究事業に参加する旨の回答を得ている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度(2021年4月~2022年3月)は、本研究事業に賛同・参加する企業を確保するため、兵庫工業会(公益社団法人)の協力、そして、研究代表のコネクションを活用しながら10社ほどの製造会社にアプローチし説明会を実施した。その内2社から本研究事業に参加する旨の回答を得た。現在、同2社と連絡を取りながら、商品開発プロセスやプロジェクト会議に関する基礎データと会議資料の収集と整理を進めている。協力企業とはこれまでに、英語事情と商品開発に関するアンケートとヒアリングをそれぞれ複数回実施した。また、会議資料の取扱いについては、それぞれの企業と「秘密保持契約」を結んだ。当初の計画では4社ほどの協力企業を確保する予定であるため、引き続き協力企業の確保に努めたい。
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今後の研究の推進方策 |
初年度に収集したプロジェクト会議の資料を商品開発プロセスに沿って整理・分類し、その内容確認のため協力企業の関係者と会議を持ったり、新たに資料提供の依頼を行ったりする必要がある。同時に、協力企業のIRなどのオープンデータ、そして、個別に収集した社内会議資料をデジタル化し、それらのテクストや語彙の分析を行う計画である。また、新たな協力企業の確保に努めたい。本基盤研究において、今後の研究ステージでは、研究分担者と研究協力者の果たす役割がより大切となるため、本事業に拘わる作業内容を確認・分担しながら研究を推進する計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度はコロナ禍で出張が制限された。しかし、状況が改善すれば、次年度には研究・調査・会議のための出張が増え旅費等の増加が見込まれる。協力企業から提供されるデータは紙媒体が多いことが分かったため、それらをスキャンしWord/Excel/PDFに変換できるオーバーヘッドスキャナーの購入が必要となる。また、オンラインアンケートの作成と分析のための費用も発生する。
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